[解説]
第二次大戦中、独空軍の猛爆に悩む英国の一科学者が、敵の戦力の中心たる水力発電所のダムを爆破する必要を痛感し、ルール地方の三つのダムの破壊を提案する。その提案は特定の超低空、特定の距離、特定のスピードで、この目的の為に特に作った球形の爆弾を投下し、ピンポンの球のように水面をジャンプさせてダムのコンクリート壁に激突させるのである。幾多の実験、昼夜を分たぬ猛訓練の末、満水期の満月の夜を期して爆撃が決行され、巨大なダムは破壊されて、工業地帯が水びたしになる──という第二次大戦秘話ともいうべきハロルド・ブリックヒルのイギリスだけで百万部を売りつくしたベスト・セーラー戦記小説「敵は対岸にあり」の映画化で英国空軍はこの映画のためにランカスター爆撃機多数を提供した。
アソシェイテッド・ブリティッシュ撮影所の製作担当重役ロバート・クラーク自ら製作総指揮に当り、ブリックヒルの小説とこの攻撃の司令官ギブスン大佐の報告書に基いて、「四重奏」「邪魔者は殺せ」のR・C・シェリフが脚色、英国映画界のホープと目されている新人マイケル・アンダースン(アンソニー・アスキスとピーター・ユステイノフ門下出身)が監督した。撮影監督と空中撮影は、「銀の靴」「ジャングルの決斗」のアーウィン・ヒリアー、特殊撮影は「戦慄の七日間」の撮影監督ギルバート・テイラーが担当した。
作曲は「ワルツ・タイム」のレイトン・ルーカス、音楽監督は、「哀愁のモンテルロ」「ジャングルの決斗」のルイス・レヴイ。
出演者は「ロビン・フッド」「豪族の砦」のリチャード・トッドと「捕われた心」「卑怯者」のマイケル・レッドグレーブを始め「老兵は死なず」のアースラ・ジーンズ、「脱走兵」のデレック・ファー、「卑怯者」「渓谷の騎士」のベイジル・シドニー、「ジャングルの決斗」のパトリック・バーとチャールズ・カースン、「ベンガルの槍騎兵」のコリン・タプリ、「男の城」のローレンス・ナイスミス、「紫の平原」のハロルド・シドンス等、アースラ・ジーンズを除いて男ばかりのキャストである。
(一九五五年度作品 |