[解説]
これは真珠湾攻撃に続く日本軍のルソン島進攻に始まり、コレヒドール要塞の陥落によつて一段落となつた太平洋戦争初期のフィリッピンの戦斗を、当時マニラ湾にあつた米海軍の第三哨戒魚雷艇隊(PTポート)の活躍を中心に描いた作品で、アメリカが彼等のこの敗戦をどのように戦い、どのように考えたか、彼等の側から眺めることも興味があろう。
ジョン・フォードの太平洋戦争映画として早くからわが国にも知られていた作品で、製作後十年にしてわれわれの前に登場することになつたわけである。
ジョン・フォードが監督と製作を兼ねている。彼は今次大戦中に「ミッドウェイの戦い」 (THEBATTLE OF MIDWAY)と「われわれは夜半に航行する」(WE SAIL AT MIDNIGTH)の二本の記録映画を撮つているがこれはそれらに続く作品でわれわれが接し得た彼の作品に比して記録的な手法が多分に取り入れられている。
この映画に次いで「荒野の決闘」を発表しているから、彼が今次大戦に取材した唯一の劇映画であり、彼の戦後の作品がこの映画から始つている点からも記憶さるべき作品でふめる。
原作は「マーガレットの旅」を書いたウィリアム・L・ホワイトのベストセラア小説で「空の要塞」のストーリイを共作したフランク・ウィードが脚色に当つた。撮影監督は「男の敵」「ジェニィの肖像」のジョーゼフ・H・オーガストで撮影はフロリダ半島の先端六哩の沖合のある島で行われバターン、コレヒドール等々再現のために、一五〇名の技術者が三ヵ月間かかつた。またこの映画に登場する六隻のPTポートは、ロード島メルヴィルの海軍基地から派遣されたものでアーネスト・サフティグ中尉が技術指導に当つて製作された。
主演は「天国の怒り」「湖中の女」等のロバート・モンゴメリイと「三人の名付親」「静かなる男」等のジョン・ウェインの二人、彼等をめぐつて「地上より永遠に」のドナ・リード、「ミズーリ横断」のジャッグ・ホルトはじめ、ウォード・ポンド、アーサア・ウオルシュ、ラッセル・シンブスン等ジョン・フォード作品でお馴染みのバイプレイヤーのヴェテランが出演する。
尚マッカアサア将軍が登場するが、これはロバート・バラットの役である。 |