[解説]
生死の岐路に立たされる戦場、明日の生死の解らぬ戦線に立った、夫々境遇と性質の違った三人の兵士のエピソードを、イタリー戦線を背景に綴った笑いと涙の中に共感を呼ぶドラマである。
宗教の厳しい戒律を守って総ての罪悪に仮借しない──殊に女に対しては極度に潔癖な戦斗精神旺盛な男イワルド軍曹。社交界出で人情厚い紳士だが、戦斗になると臆病になる男。郷里に残して来た愛妻と何時の日にか大レストランを開こうと、大きな夢を描き親友から小遣銭を借りて迄郷里に送金しつづける陽気で要領のいい男。この三人が奇しくも地獄のイタリー戦線で戦友として共に命を賭けた生死の境に、その各々の人間性がむき出しに曝け出されて悲喜劇が演じられて行く。
巧みにほりさげられた心憎い詐りの心理描写は、人情の機微を衝いており、主演する四人の名演と相俟って「タイム」誌が絶讃しているように激賞され、各地で大ヒットしている話題作である。
主演は「裏窓」のウェンデル・コーリイ、「トコリの橋」のミッキー・ルーニー、「第十七捕虜収容所」のドン・テイラーに、「失われた少年」に出演したフランスの新星二コール・モーリイの四人。「紅の翼」のジョン・スミスが助演している。製作は“常に興行者に喜ばれる映画”をモットーにしているハル・E・チェスター、監督は「最後の砦」のルイス・R・フォスター、戦時中に対戦車部隊に居たロバート・リュインが巧妙に脚本を書いている。撮影は「スタア誕生」のサミュエル・リーヴィット。音楽は「月蒼くして」のハーシェル・ギルバート。主題歌「胆者と勇者」はミッキー・ルーニーとロス・バグダスリアン(出演もしている)の共同作詞になるもの。 |