[解説]
戦争映画の製作にかけては、この人の右に出る者はないと言われる名匠ウイリアム・A・ウエルマン藍督が、一九四九年に放つた不朽の名作「戦場」の感激も新たに、雄渾な戦斗シーンを再現してみせた戦争映画の異色大作。
標題が示す如くこれは米陸軍史上に光輝ある頁を残した、アメリカの特攻隊の活躍を描写したもので、日本の特攻隊とはおのずから性質は異なるが、その何ものも辞さぬ敢斗精神は、米軍人の亀鑑として高く評価されたものである。特攻隊の功労者として名を宣揚したジェームス・アルテリィ少佐の原作を、「渡るべき多くの河」の俊才ガイ・トロスパーが脚色、ハリウッド・プロデューサー界の巨人と異名ある、「サンチャゴ」「追憶」のマーチン・ラッキンが製作に当つた。撮影監督はパイロットの出身であり、「男の叫び」「B52爆撃隊」等を撮つた新鋭ウイリアム・クローセアで、そのテキパキとしたカメラワークは、三個のオスカー・ホルダーである「南部の反逆者」の名匠マックス・スタイナーの旋律と共にこの作品の価値向上に一層の拍車をかけ、ベテランのウイリアム・キャンベルが美術を、オウエン・マークスが編集をそれぞれ担当、「大荒原」の俊腕ウイリアム・L・キューエルが装置監督を勤めた。
主役のダービイ大佐には「サヨナラ」で既に紹介された好漢ジェイムス・ガーナーが選ばれ、その適役ぶりはマスクだけでも物故したダービイ大佐に生き写しだつた程で、ここに新らしいスタアが誕生したわけである。更に好漢ガーナーの出現と共に特筆されるのはフランス出身の新進エチカ・シューローの登場である。まだ「青春の果実」一本だけが本邦で公開されたのみだが、その器量、演技共に既に大スタアの貫録を持し、本年の最大ホープとしてこれからの活躍が大いに期待されている。そして、この二人をめぐつて新進、老巧が入り乱れての白熱の演技を見せる。第二次大戦中は第百一空挺師団の軍曹として落下傘降下の助教を勤め、今は舞台、映画、テレビに括躍中のジャック・ワーデン、「お茶と同情」で注目ある演技を残したエドワード・バーンズ、モデル出身で可憐さを武器にこれから大いに売出さんとする新星ベネチァ・スチーブンソン、「トロイのヘレン」「南部の反逆者」の名優トリン・サッチャー、テレビ界から将来を嘱望されてハリウッド入りした若手のピーター・ブラウン、英国の美人スタア、ジョーン・エラン、「理由なき反抗」で不良の親分役を見番にこなし強烈な個性をのぞかせたコーリイ・アーレン、「B52爆撃隊」のスチュアート・ホイットマン、「翼よ!あれが巴里の灯だ」のマーレイ・ハミルトン、「サヨナラ」でもちよつと顔を見せた監督ウエルマンの二世、ビル・ウエルマン・ジュニア、「南部の反逆者」のアンドレア・キング、「誇りと情熱」のアダム・ウイリアムス、「地上より永遠に」のフライダー・アイネスコート、四十本以上の映画に出演した老優レジナード・オウエン、「地獄の埠頭」のウイリス・バウチイ、「南部の反逆者」の性格俳優レイモンド・ベイリーといつた面々がそれである。
セットは実に百以上、実戦さながらに撮影が進行したが、特に技術顧問には「GIジョ−物語」でもウエルマン監督にアドバイスを与えたロイ・マーレイ大佐(米陸軍第一軍団参謀長)が再び招致され、朝鮮戦線で名を成し功労章を得たリイ・マイズ少尉、同じく朝鮮動乱で奇しくも主役のジェームス・ガーナーと一緒の部隊に属し、赫々たる戦果で銀星章を授与されたリチャード・サンドリン.軍曹が、これまた技術顧門補佐として応援している。 |