[解説]
東西の力関係は、いま非常に微妙な状態にあって、世界の各国はけんめいに軍備を競い合っています。こんな時、もし正体不明の攻撃兵器が出現したらどうなるでしょうか。お互いに疑心暗鬼の各国は、それをきっかけにして、世界中の人たちを全滅させてしまうような大戦争をひきおこすかもしれません。
「頭上の脅威」は、今日にも現実に起りかねない、そんな事態を思定して、フランスが誇る最新式の防衛態勢を、大型色彩画面に描き出した異色大作です。フランス海空軍が前代未聞の力ぞえをし、ソ連海軍までが協力したというだけあって、全篇に“本もの”の迫力がみなぎっています。
舞台はフランス海軍第一の新鋭航空母艦クレマンソー艦上。ジェット戦斗機エタンダールや対潜水艦戦斗機アリゼを搭載した同艦の近代設備が目をみはらせます。
シナリオ・監督は、日仏合作映画「忘れ得ぬ慕情」や「真珠湾前夜」で日本にもおなじみのイブ・シャンピです。
撮影は「赤い風船」「リオの男」で知られるカラー撮影の第一人者エドモン・セシャン。航空母艦や戦斗機のメタリックな美しさをあますところなくとらえています。 また、空中撮影の部分は、ギイ・タバリーが担当。アルベール・ラモリスが「素晴しい風船旅行」で考案した新しい撮影技術方式ヘリビジョンを使って、息をのむような迫力を出しています。
音楽のジャック・ルシエは「真夜中へ五哩」で映画音楽に新風をふきこんだ新鋭作曲家。本来クラシックを研究してきましたが、最近はジャズでも活躍しています。
主演のアンドレ・スマッグは、本来、若手の映画監督です。「ベン・ハー」「アラビアのロレンス」などの第二撮影班で監督をしていましたが、シャンピ監督に白羽の矢をたてられて、この映画には俳優として出演、飛行隊長ガイヤックの役を好演しています。
そのほか、「七つの大罪」のベテラン、ジャック・モノをはじめ、マルセル・ボズフィ、ベルナール・フレソンなどフランスの中堅男優が大挙出演。又、クレマンソーの乗組員やパイロットたちも実際に画面に登場して、緊迫感と迫力をもりあげています。 |