[解説]
第二次世界大戦の初期、電撃作戦でヨーロッパを崩壊させたヒットラーのドイツ軍が、一気にイギリスを叩きつぶそうと、満を持していた大空軍力を注ぎこんで、日夜ロンドンはじめ英本土の爆撃を繰返した。大陸遠征軍が、ダンケルクから命からがら逃げ帰ったばかりで息つく暇もなく、イギリスは有史以来最大の危機を迎えたわけだが、この国家存亡の危機を救ったのは、明かに劣勢なイギリス空軍だった。
時のイギリス首相ウィンストン・チャーチルは、空軍将兵の不眠不休、疲れを知らぬ不屈の要撃ぶりを、人類の戦斗の歴史上、極めて少数の人たちに、これほど大きなおかげを被ったことは、今だかってなかったと、深い感謝の念を以て述懐している。
「空爆大作戦」は、ドイツとイギリスが総力を傾け死力をつくした、この空の攻防戦を描く作品で、漁船や曳船まで動員したダンケルク撤退、英本土空襲の目の上のこぶであるイギリスのレーダー網を麻ひさせようとの、ドイツ軍スパイの潜入や決死の跳りょう、熾烈な空中戦など、手に汗握るシーンの連続で、息つく暇も与えない。しかもその中に、イギリス兵とドイツ軍スパイとの人間的触れ合いが、一本の芯となっている。
これは、イギリス、フランス、スペインの陸海空軍の協力のもとに、二年がかりで撮影されたもので、「七人の特命隊」「黄金の三悪人」などアクションものの得意なエンツォ・G・カステラーリが監督に抜てきされた。
ストーリー及び脚色は、同監督が「アルデンヌの戦い」のビンセンツォ・フラミーニ、「七人の特命隊」のティト・カルビらと協力したもので、「地獄のガンマン」「激戦地」などのアレクサンドロ・ウローアが撮影を監督、「女王陛下の大作戦」などのフランチェスコ・デ・マージが作曲及び音楽指揮に当った。
主な出演者は、「トパーズ」「エル・アラメン」などのフレデリック・スタフォード(英)、ハリウッドのベテラン・スターのバン・ジョンソン、「星空の用心棒」のフランシスコ・ラバル(スペイン)、「デポラの甘い肉体」のイブリン・スチュワート(英)、「荒野の一つ星」のテレサ・ジンペラ(伊)など国際色豊かである。 |