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姿なき軍隊European Picture News 1952年7月発行 |
[解説]▼デンマ−ク映画は、スエーデン映画と並んで、無声映画時代、世界市場に欧州各国の名作、傑作と覇を競つた北欧の雄である。然し、トーキ−の出現によつて、言葉の障害は、遂に、デンマーク映画を世界のどの国からも締めだされる破目におとしてしまつた。この映画“姿なき軍隊”は、我が国に紹介されるデンマーク・トーキーの三度目のお目見得ということになつている。 ▼本邦に公閲された最初のトーキーは、昭和・二年に封切された「パーロの嫁取り」で、これは、エスキモーを主人公とした記録映画であり、いわば学術的な興味をもつた映画であつた。次が、いきなりとんで一昨(昭和二五)年の「都会の旋律」(OTTE AKKORDER)となるのである。「都会の旋律」は終戦のその年(ー九四五年)に製作・発売されたものであるが、この映画は、昨年の発売になる最新のデンマーク映画で、同国第一の規模を誇る製作会社パラデュウムの作品である。 ▼由来、デンマーク映画は、記録映画に優れた作品を生んできたが、この“姿なき軍隊”は、背景を、第二次大戦中の独軍占領下の仮想国として、主人公は、レジスタンスの指導者である。常にゲシュタポに命を狙われながら、仲間とともに秘密兵器工場の破壊を計画している。その緊迫した空気の盛りあげは、英米のセミ・ドキュメンタリイ映画に比して劣らず、記録映画国の伝統をよく発揮している。 ▼監督は「都会の旋律」のヨハン・ヤコブセンが当り、音楽担当も、同じ「都会の旋律」のカイ・メラーである。脚本をかいたクンド・センダァビィは、同国の批評家から、モダンで安定感に満ちたものと賞讃されている。撮影のカール・アンデルスンは、ドライエルの「怒りの日」の担当者である。 ▼ヒロインをつとめるボデイル・ケアーは、「都会の旋律」では、女中のエレンを演つて居り、技師ヨルゲンのエーペ・ローデは、あの映画では、トムセンといういかさま紳士に粉していた。また、ポール・ラインシャートは、「都会の旋律」で、裁判所長の隠し子アクセル青年を演じて居り、助演のアスビエルン・アンダァーセンも、「都会の旋律」ではヨハネスという役で出演していた。 ▼デンマークでは、この種のものが多いのか、これをサボタージュ映画と呼んでいるが、この映画に対しては、今日までに我々が創つた最上のデンマーク・サボタージュ映画で、これがデンマーク映画であることを誇りたい、──と云う程の同国の代表的優秀作である。 |
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