[解説]
「これから何世代か後の人々は、このような人間が生きて、この世に実在したとは信じられないのではあるまいか」
ガンジーについてこう書いたのは、アルベルト・アインシュタインである。
インド独立運動の指導者“偉大なる魂”マハトマ・ガンジー。その波乱に満ちた生涯が、ついに「アラビアのロレンス」をしのぐ壮大なスケ−ルの映画になった。
といっても「ガンジー」は、単に救国の聖人を賛美するだけの映画ではない。祖国インドの大地を愛するが故に.3億5千万人の同胞を愛するが故に、支配者大英帝国の巨大な力に立ち向かっていった男のナマ身の姿を初めてとらえた、ドラマチックな愛と勇気の大口マンなのである。
敵が殴ってきたら、すすんで殴られよ。撃ってきたら、昂然と胸をほって撃たれよ。ただし、こちらから相手の血を流すような行動は絶対するな! ガンジーの非暴力主義は、平和を愛する限りない人類愛からほとばしり出たものであった。そして、彼の強い信念と行動力、決断が、その非暴力主義を、何にもまして効果的な戦略に変えていった。
この映画には、そうしたガンジーの指導者としての影響力の大きさと同時に、世界のマスコミを巧みに使った世論操件の卓抜さや、陰に陽に彼を支えたカストルパ夫人との夫婦愛が描かれ、人間ガンジーの魅力が浮きぽりにされる。ガンジーを知る人も知らない人も、この1人の男の大いなる愛に感動し、その衝撃的な死に涙することだろう。
20年来、この企画をあたため、ついに実現させたのは、イギリスの名優であると同時に、「達すぎた構」などのスペクタクル演出でも定評のあるリチャード・アッテンポロー。彼のみごとな演技指導のもとに、イギリスの舞台俳優出身でインド人の血を引く斯スター、ペン・キングズレーが、半世紀以上に及ぷガンジー像を驚くべき演技力で再現した。
ガンジーと関係のあった人々に扮するのは、キャンデイス・バーゲン、エドワード・フォックス、ジョン・ギールガッド、トレパー・ハワード、ジョン・ミルズ、マーティン・シーン、イアン・チャールスンなど英米のオール・スター。
200人以上のスタッフとのぺ30万人以上のエキストラを動見、製作費は実に4千万ドル。加えて、インド各地の広大で謎めいた美しさを持つ風景がカメラに収められラビ・シャンカールの心をうつシタールのメロディとともに、この件品にエキゾチックな雰囲気を与えている。 |