[パンフレット] 353作品

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解説、プロダクションノートはパンフレットの表記そのままで掲載していますので誤字・脱字・旧字・旧仮名づかい等があります。ご了承下さい。

<カ行>

戒厳令
帰らざる勇者
影の私刑
カジュアリティーズ
風とライオン
合衆国最後の日
語らざる男
カミカゼ
眼下の敵
ガンジー
艦隊は踊る
帰郷
危険な道
機動部隊
奇襲戦隊
キプールの記憶
キャッシュ
キャッチ22
橋頭堡を攻撃せよ
逆転電撃作戦
巨大なる戦場
キリング・フィールド
禁じられた遊び(2種類)
空挺部隊
空軍大戦略
空爆大作戦
駆潜艇 K-255
グッドモーニング、ベトナム
暗い日曜日
グリーンベレー
クリムゾン・タイド
グローリー
クロスボー作戦
軍法会議
ケイン号の叛乱
激戦地(1946)
撃滅戦車隊3000粁
血戦奇襲部隊
決戦珊瑚海
原子力潜水艦浮上せず
攻撃(2種類)
極楽ホテル
地上より永遠に
コルチャック先生
コレヒドール戦記
コレリ大尉のマンドリン

 

奇襲戦隊

1967年11月発行
A4版16P

[解説]

 第二次大戦もたけなわの頃、ドイツ軍によって占領されていたフランスの或る捕虜収容所から、命知らずの遊撃隊によって計画通り十二人の死刑囚が救い出された。ところがあとで数えてみると、彼らが救い出したのは実は十三人。かくて、この十三人目の謎の男と、苦難の脱出の旅についた他の男たちをめぐって、血と汗と砲火の匂いにまみれた凄絶な闘いの物語が展開されていく。
 製作にあたったのはレーモン・フロマンで、「シベールの日曜日」「去年マリエンバートで」「危険がいっぱい」「太陽が目にしみる」など、常に国際的な話題を集める異色作を作りつづけてきたこのプロデューサーにふさわしく、今回も、ただの戦争アクションとは言いきれぬ様々な問題をその壮烈な画面の奥にひそめて、見るものを異様な感銘にひきずりこんで行くが、先ず何といっても壮観なのは、ずらり演技派男優ばかりでかためた配役の多彩さであろう。
 すなわち、主役の“十三人目の男”に扮する売れっ子ミシェル・ピッコリ(ロシュフォールの恋人)をかこんで、ジャック・ペラン(七人目に賭ける男)、ジャン・クロード・ブリアリ(まぼろしの市街戦)、ジェラール・ブラン(汚れた英雄)、シャルル・バネル(恐怖の報酬)、フランソワ・ペリエ(ダンケルク)、ブリューノ・クレメール(パリは燃えているか)等々。
 監督は「七人目に賭ける男」で日本にも紹介された新鋭コスタ・ガブラスで、J・P・シャブロールの原作小説からの脚色も彼自身が担当している。フランスのオベールニュ地方に大々的なロケを敢行した成果は非情な迫真力をともなって、テクニクカラーの画面は圧倒せんばかりである。

[プロダクション・ノート]

*007シリーズの製作者ハリー・ザルツマンは才能発掘の天才といわれるが、「怒りをこめて振り返えれ」でトニー・リチャードソン監督を始めて映画界にデビューさせたのはこのザルツマン。ショーン・コネリーも彼に発見されて大スターとなったが、このコスタ・ガブラス監督の第1作「七人目に賭ける男」の演出力を買ってザルツマンはこの映画に製作資金をだしたという。
*ガブラス監督は前作「七人目に賭ける男」でもイブ・モンタン、シモーヌ・シニョレ、ジャック・ペラン、ミシェル・ピッコリなどオール・スターを使ったが、オール・スターものは彼の得意としている題材だという。「私は芝居の巧いスターにうるさい注文はつけない。彼らは彼らの演技力を一つの注文から100パーセントひきだしてきてくれる。私は彼らがその実力を完全に発揮できるチャンスを与えるだけだ。巧い俳優を使った群像ドラマは私をエキサイトさせるのだ」といっている。
*ジャック・ペランは日本ではことに女子学生に人気の高いスターであるが、この映画の撮影中『半人前の男』(日本未公開)で66年度ヴェネチア映画祭主演男優賞を獲得した。共演のなみいる名優、ベテランから祝福された彼だが、彼はガブラス監督のお気にいりスターで「七人目に賭ける男」についての再コンビ。「いままでイタリア映画に多く出演してきたが、イタリアの監督たちは心理的な演技の計算がしつくされてからカメラをまわす。ガブラス監督は即興的な演技を重視していて、彼との仕事はたいへんに面白い結果がでて楽しみです」といっている。
*この映画のロケーションは、フランス中央部のオーベルニュ地方で行われたが、聖フルールといわれる町にはギャバリ橋という橋がある。これはパリにエッフェル塔を建てたアレキサンダー・ギュスターブ・エッフェルが設計したもので“知られざるエッフェル橋”ともいわれているもの。この映画で広く紹介される。
*オール・フランス俳優で、お色気なしの男優陣ばかりで作られたこの映画に、ちょい役ながら女性が登場する。この女性こそ「死んでもいい」「夏の夜の10時30分」などの巨匠ジュールス・ダッシン監督のお嬢さんであるジュリー・ダッシン。アメリカ生まれながらフランス語は巧く、当年18才である。彼女はこのあとフランスの女流作家マルグリット・デュラ女史が始めて演出を手がけるユナイト映画「ラ・ミュジカ」で本格的な女優稼業につくことになった。
*J・B・シャブロールのベストセラー小説を「パリは燃えているか?」に出演していたブリューノ・クレメールが読み、感激して彼は友達のガブラス監督に映画化をすすめた。クレメールも重要な役で出演しているが「レジスタンスを今日的な視点で再検討する意味でもこれは“パリは燃えているか?”とは別の意義があるだろう」といっている。
*原作に忠実に撮影隊はオーベルニュのドイツ軍に占領されていた捕虜収容所でロケをすることになった。しかし、収容所は15年前に改造されて、いまは学校になっていた。しかし19世紀に建てられた門をはじめ部分的に残されていた建物はそのままカメラに収められ、苦難の時代を再現している。
*ガブラス監督が苦心したのはナチス将校を演じるエキストラを集めることだった。フランスの田舎町である聖フルールの町でもビートルズ・ヘアーの若者たちでいっぱい。鉄かぶとの下にビートルズ・ヘアーをかくしたエキストラは問題なかったが、画面に頭髪を見せなければならないエキストラには長髪のカット代として、エキストラ科プラス・アルファを支払わされた。「時代が時代だから仕方ないさ。でもこれらの若者たちに二度とあのような悲惨な収容所生活を経験させたくないね」というのがガブラス監督の弁。
*「恐怖の報酬」でカンヌ映画祭最優秀男優賞をもらったシャルル・パネルは当年74才だが、丘を走ったり、ころんだりの重労働的な演技を要求された。その若々しさにスタッフは「心臓はいったいどんな構造になってんだろう」と驚くことしきりだった。
*原作のモデルとなり、映画のロケ地となったオーベルニュ地方は、数々のレジスタンス運動の英雄たちを生みだした土地としてフランスではよく知られている。生き残りの指導者たちが、当時を再現するために協力しているが、パリでのこの映画のプレミア・ショーにはジョルジュ・ポオムピドオを始めかつての英雄たちが、華やかに迎えられてショーは盛況をきわめた。