[解説]
時は1948年、民族独立のため、アラブ諸国の圧力に抗して、砲火と鮮血にまみれた戦いを続けるイスラエルの戦士たちの中に、一人のアメリカ人がまじっていた。その名はデイビッド“ミッキー”マーカス。第二次大戦中、ルーズベルト大統領の軍事顧問として、マーシャル将軍の良き補佐役として、またノルマンディー上陸作戦のパラシュート空挺隊の一員として、数々の功労賞に輝いた人だが、戦後はニュールンベルクや東京の戦犯裁判の組織者として活躍したのち、民間の一法律家として平和な生活を送っていたのが、再び戦乱の中に飛び込む破目となったのは、生来の正義心と冒険心のおかげで、イスラエルとアラブの間に休戦協定が発効する僅か七時間前、味方の弾丸に誤って射たれ命を落としたことが、彼をいっそうドラマチックな英雄に仕立てあげている。
この映画は、現代の“アラビアのロレンス”ともいうべき彼ミッキー・マーカスの波乱にみちた半生を、現地でのラブ・ロマンスをのぞいて、極力事実に忠実に映画化したもので、マーカスに扮するのは、「テレマークの要塞」「危険な道」などアクションものに相変らずエネルギッシュな活躍を見せているカーク・ダグラスだが、彼をめぐる共演陣の顔ぶれがまた絢爛豪華で、「エルダー兄弟」のジョン・ウェイン、
「脱走特急」のフランク・シナトラ、「モリツリ」のユル・ブリンナー、それに「アメリカ、アメリカ」でデビューしたギリシャ青年スタチス・ヒアレリスといったにぎやかさ。
これら男性軍にまじって、「栄光の野郎ども」のセンタ・バーガー、「恋するパリジェンヌ」のアンジー・ディキンソンが彩りゆたかな共演を見せているのも話題のひとつだ。そのほか、舞台のベテラン、ルーサー・アドラーや「大脱走」などのイギリスの名優ジェームズ・ドナルドたちが重厚な演技で脇をかためている。
監督は「パリが恋するとき」のメルビル・シェイベルソンで、彼がテッド・バークマンの書いたマーカスの伝記を読んだのは四年も前のこと。さっそく映画化権を自費で買い入れただけあって、みずから脚色するにあたっても、主人公の足跡の残る土地や知人をくまなく訪ねるという熱の入れかた。
ワシントン、ニューヨーク、イスラエルに現地ロケを敢行したほか、セット撮影はローマでおこなったが、色彩による撮影監督にイタリアのアルド・トンティ(ゴールデン・ハンター)、音楽作曲は売れっ子エルマー・バーンステイン(ビッグ・トレイル)を参加させたところなど、プロデューサーとしても第一級の手腕のシェイベルソンである。 |