[パンフレット] 353作品

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解説、プロダクションノートはパンフレットの表記そのままで掲載していますので誤字・脱字・旧字・旧仮名づかい等があります。ご了承下さい。

<タ行>

第17捕虜収容所
第27囚人戦車隊
第五戦線 遠い道
第7の暁
第8ジェット戦闘機隊
第八高地突撃隊
体当り突撃隊
タイガーランド
大進撃
大侵略
大戦争
大地と自由
大突撃
大反撃
太平洋紅に染まる時
太平洋の地獄
大編隊
太陽にかける橋 ペーパー・タイガー
太陽の帝国
戦う雷鳥師団
脱走山脈
脱走兵
小さな赤いビー玉
地下水道
地下組織
地上最大の脱出作戦
チャップリンの独裁者(2種類)
追撃機(2種類)
追想
ツェッペリン
ティアーズ・オブ・ザ・サン
ディア・アメリカ 戦場からの手紙
ディア・ハンター
抵抗(レジスタンス) 死刑囚の手記より
抵抗の詩
デルタ・フォース
テレマークの要塞
道中の点検
遠い道
遠すぎた橋
トコリの橋
ドッグ・ソルジャー
特攻決死隊
特攻決戦隊
特攻大作戦
トップ・ガン
友よ、風に抱かれて
渡洋爆撃隊
トラ トラ トラ!
捕えられた伍長
トリプルクロス

 

地上最大の脱出作戦

1967年7月発行
A4版16P

[解説]

 英雄的な勝利、悲劇的な敗北、壮烈な海の戦闘、苦しかった捕虜生活、など、世に戦争を扱った映画は数多いが、この映画はそれらのどれにも属さない。年月の経過とともにGIたちにも子供が生まれ、大きくなり、ある日こうきくだろう「パパ、パパは戦争中には何をしてたの?」
 誰もが英雄なら問題はない。だが中には当時の記憶を思い出すと同時に、ハタと口ごもる父親もいるだろう。これはそういう、人には話せない、戦闘と戦闘の間の、特異な体験を描いた物語である。
 製作者で、監督で、脚色も担当したプレイク・エドワーズは映画のために生まれたような男。撮影所で進行係りをしていた父親の影響もあって、大学を出ると同時にテレビ界に身を投じ「ピーター・ガン」の演出で頭角をあらわした。その後映画界に転進、「ティファニーで朝食を」「「酒とパラの日々」「ピンクの豹」などを演出、最近作としてはジャック・レモン、トニー・カーティス、ナタリー・ウッド主演の「グレートレース」がある。
 主演のジェームズ・コバーンは最近めきめき売り出してきたハリウッドの異色スター。「荒野の七人」「大脱走」などではその渋い持ち味で好評を博している。
 ディック・ショーンは長い間テレビやナイトクラブで人々を笑わせてきた生粋のコメディアン。映画出演はこれが四度目だが、その中にはスタンリー・クレイマー監督の「おかしな、おかしな、おかしな世界」がある。
 セルジオ・ファントニはヨーロッパの舞台、映画では主演級のイタリア・スター。最近では「ただいま熱愛中」でドリス・デイと共演した。
 ジョバンナ・ラリは今やハリウッドにおける話題の新人。むろんアメリカ映画への出演は初めてである。しかしイタリアでは、まだ二十四才という若さなのに、「ロベレ将軍」「禁じられた肉体」など四十本もの映画に引っぱり出されたほどの売れっ子。小柄だが、均整のとれた肢体は、今後の活躍を期待させる。
 アルド・レイは「戦場」で一躍スターになり、その後もタフ・ガイぶりを買われて数多くの作品に出演、最近ではキャロル・ベイカーとの「シルビア」に顔を見せている。
 この物語の発想は監督ブレイク・エドワーズが、息子のジョフリーから質問されてドキリとなったのがはじまりで、相棒のモーリス、・リッチン(ピンクの豹)と想をねり、ユーモア作家ウィリアム・ピーター・ブラッティ(暗闇でドッキリ)が脚色した。音楽は、これまたエドワーズ監督と切っても切れない名コンビのヘンリー・マンシーニ(ピンクの豹、暗簡でドッキリ、グレートレース)が作曲している。撮影もまた「ピンクの豹」のフィル・ラズロップが担当している。

[プロダクション・ノート]

*ブレイク、エドワーズ監督にはジョフリーという息子がいるが、その息子が或る日いきなり真面目な顔で彼に聞いてきた。「パパ、戦争で何してたの?」。聞かれてパパは、自分が沿岸警備隊の一員として活躍した第二次大戦の昔を思い返してみたそうだ。そして。息子への返事を口にする前に、彼の頭の中に次回作への構想が生まれていた。戦争喜劇を一一それも底抜けに愉快で皮肉でモダンな。エドワーズはさっそく「ピンクの豹」で一緒に仕事をした脚本家モーリス・リッチリンを呼び出しストーリーをまとめ上げると、これも「暗闇でドッキリ」で一緒だったウィリアム・ピーター・ブラッティにシナリオ化を依頼した。かくて奇想天外な戦争コメディ「地上最大の脱出作戦」(原題「パパ、戦争で何してたの?」)は生まれたのだが、さて息子ジョフリーの無邪気な質問にそのときパパが何と答えたか?それを聞き洩らしたのは残念。
*すでにアメリカ映画にも「逆転」「脱走特急」「ただいま熱愛中」そしてこの「地上最大の脱出作戦」と四本も出演して、国際派の声価ますます高まるセルジオ・ファントーニだが、イタリアではじめて映画入りする前、もっぱら舞台で活躍していた頃には、アメリカ映画をイタリア語版になおすため、マーロン・ブランド、ロバート・テーラー、ロック・ハドソン、アラン・ラッド、ロッド・スタイガーといった俳優たちの声の吹き替えをやっていた。暗がりでの地味なこの仕事がどれほど演技の勉強に役に立ったか、言葉にはつくせぬほどだと今もなおしみじみ回想する彼が、つい最近ひさしぶりに暗がりにこもって吹き替えの仕事をやらされた。その映画はなんと「脱走特急」で、画面で英語をしゃべっている自分の声をイタリア語になおされたわけだが、映画界ひろしと言えど、自分の声を自分で吹き替えた役者はおそらく私ぐらいのものでしょうと、とんでもないところでセルジオは自慢のひとくさりであった。
*「愛欲と戦場」「裸者と死者」「最前線」などを思い出すまでもなく、アルド・レイほど戦争映画のヒーローにふさわしい俳優はいるまい。この映画のリッツォ軍曹役に、ブレイク・エドワーズ監督が彼を配役したのもそのせいだが、本当の彼は第二次大戦中、勇名たかきフロッグメン(潜水工作隊)の一員として活躍しただけあって根っからの海軍びいき。その彼がいつも陸軍のGIを演じさせられて適役ぶりを絶賛されているのだから同情に余りあるが、彼のもうひとつの不満は、いつもどの映画でもランクは軍曹どまりで、いっこうに昇進させてもらえないこと。そのアルドの目下の念願は第二次大戦の英雄パットン将軍を演ずることで、容姿が実在のパットンにそっくりだと前々から自他ともに許している彼にしてみれば無理もない願いだが、軍曹からいきなり将軍への昇進はなんとしても不可能な話。彼の悲願も当分実現する見込みはなさそうだ。
*カール・エクパーグといっても御存じない人が多いだろうが、彼はその容姿といい声音といいナチス・ドイツの元史アドルフ・ヒットラーを演じさせて右に出るものなきハリウッドの名物男。はじめてヒットラーに扮したのが「市民ケーン」(たぶんニュース映画のシーンだろう)で、以来ヒットラーを演ずること十一回という記録の持主だが、彼に言わせれば「ヒットラーはその最盛期に我が祖国ノルウェイに押し入りメチャメチャにした。だから祖国に代って私が今も復讐を続けているのさ」とは執念ぶかい男もいたもの。
*この映画にはロサンゼルスの有名なサッカー・チーム“ザ・グラディエイターズ”が登場して痛快なゲームを展開してみせる。第二次大戦たけなわのイタリア戦線を舞台に米・伊の兵士たちが汗みどろの斗いをくりひろげるこの映画にサッカー選手が登場するなんて、不思議に思われる方も多いだろうが、そこがこの異色戦争映画の異色たるゆえん。あとは御覧になってのお楽しみである。