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追撃機
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[解説] 「眼下の敵」が海の名勝負なら、この「追撃機」は空の名勝負物語である。いずれおとらぬ迫力を盛り上げて奇策縦横、現代名勝負物語の双壁とでも云おうか…。戦争映画と聞けば敬遠なさる方も、目に角を立てる方もまあしぱらくはこの理窟をぬいたスリルをお楽しみあれ。「眼下の敵」はドイツ潜水艦とアメリカ駆逐艦の水面をはさんだ対戦であった。それに対しこの「追撃機」はやはり実説をもとゝしつゝも今度は朝鮮上空をかけめぐってのジェット機の戦いである。ジェット機のあのスピードで追撃し、射撃し、撃墜するわけだからこれは相当な見ものである。中でも、敵方のケーシー・ジョーンズと異名をとるミグ戦闘機とボッブ・ミッチャムの搭乗機の一騎討ちは、手に汗も充分。最初ボッブの機尾にぴたりとジョーンズ機がくい下るそのサスペンス。激しい機銃のねらい射ちである。それをいかにかわすかゞスリルの中心。次はミッチャム機が航空技術の粋をつくしての位置の転換。音速に迫るスピードでひらりとばかり転じたミッチャム機は逆にピタリとジョーンズ機にくいつく。一瞬炎をふいて墜落するジョーンズ機!空の映画はこれまでに数々あったが、空中戦の面白さをこれ程に描いたのはこれが最高であろう。特殊技術と編集のうまみをみおとすわけには行くまい。更に、今一つ、空中戦ならぬジェット機航空の場面の魅力も特筆すべきで、成層圏に白雲をひいてとぷ雄大な景観は忘れることが出来ない。かっての名作「超音ジェット機」の時もそうであったが遥か大地を下に見て、大空の果てに翼を馳せる時、そこには身に迫る神秘感と、永遠の生命の存在を知るのだ。しかもシネスコ・カラーときているだけに臨場感も満点である。こうして文字通りこの映画はジェット機が主人公と云えるわけだが、一方あのディック・ポウエルのプロデューサーとしての腕と演出者としての腕も定まったわけである。といってもこの「追撃機」は「眼下の敵」の様に敵味方均等に描写が進むわけではない。これも世界状勢であろうか。そのかわりこの「追撃機」には、三つの景物がついている。即ち一つは地上に於る灼熱のロマンスである。ロバート・ミッチャムとリイ・フィリップスがあのマイ“グレッチモン”プリットをはさんでのそれだ。“若き獅子たち”でマキシミリアン・シェルをおいて、マーロンを誘惑した彼女が、今度はリイ・フィリップスのハズからボッブ・ミッチャムヘ心を動かす。あのメイ・ブリットの情熱ならばボッブもまいろうと云うもの。しかも今度の彼女は妻としての悩みも反省もある知の女だ。メイクアップもかえて、タイプから演技への進歩を試みる。又今一つの興味は、これが日本を舞台に行われることである。京都や宮島を背景にあのメイ・ブリットとロバート・ミッチャムが灼熱のロマンスを演ずるとは想像するだけでも楽しい。と書くと、何時日本ロケをしたのか不思議に思われる人もあるだろうが、あのヒューストン作品「異邦人と芸者」の完成後、キャメラマン チャールス・G・クラークは休む間もなく本社の指令で、京都に伊丹に瀬戸内にと、とんだのである。彼は古くからロケ作品に腕を買われ、紐育をとらえた「二十四丁目の奇蹟」、ベルリンをとらえた「大空輸」「夜の人々」があり、シネマスコープ55の第一作「回転木馬」の重責にもたえている人である。あの色彩にやかましいヒューストンに協力する人だけのことはあったわけだ。彼は以前「トコリの橋」で日本ロケの経験もあり、この三本目の作品では初冬の日本の風物をとらえている。 |
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[プロダクション・ノート] この映画に出てくる戦闘機はノース・アメリカンF86Fセイバーである。アメリカ最初の音速級戦闘機として多数生産された。三菱でも国産化して自衛隊が使用しているもので、日本の空でよく見られる。朝鮮動乱の際、ソ連のミグ15ジェット戦闘機と空中戦を演じて一躍有名になつた。 |
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追撃機
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[解説] 「眼下の敵」を製作、監督したディック・ポウェルが放つた第二作。ポウテルは一九○四年、アーカンサス州マウンテン・ビュー生れで、歌手として世に出たが、ついで「歌う司会者」として有名となり、33年に映画入りしたミュージカル映画に活躍した。戦後は性格俳優として新生面をひらき、さらに53年に監督として進出し、製作にもたずきわるようになつた。俳優としては最近「悪人と芙女」、「奥様は芳紀17才」に出演、監督としては「非常線」、「征服者」、「夜の乗合自動車」などを演出した。映画製作のコツをよく心得ている人である。 |
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