[パンフレット] 353作品

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解説、プロダクションノートはパンフレットの表記そのままで掲載していますので誤字・脱字・旧字・旧仮名づかい等があります。ご了承下さい。

<サ行>

最後の太平洋戦争
最後の決死隊
最後の橋(2種類)
サイゴン
最前線
最前線物語
ザ・キープ
砂漠の鼠
砂漠のライオン
砂漠部隊
鮫と小魚
サヨナラ
さよなら子供たち
さらば外人部隊
サルバドル 遙かなる日々
サンタ・ビットリアの秘密
サン・ロレンツォの夜
ジェット・パイロット
地獄と高潮
地獄に堕ちた勇者ども
地獄の7人
地獄の謝肉祭
地獄の戦場 コマンドス
地獄の戦線
地獄の黙示録
地獄の黙示録 特別完全版
地獄への退却
史上最大の作戦
姉妹と水兵(復刻版)
十字砲火
将軍たちの夜
勝利者
勝利なき戦い
勝利への脱出
ジョニーは戦場に行った
シン・レッド・ライン
シンドラーのリスト
侵略戦線
新13階段への道 ナチ生体実験
姿なき軍隊
頭上の脅威
スターリングラード(2000)
聖なる嘘つき その名はジェイコブ
セブン・ビューティーズ
ゼロ地帯
戦火の勇気
戦艦シュペー号の最後
全鑑発進せよ
潜航決戦隊
潜行突撃隊
戦場(1961)
戦場(1978)
戦場にかける橋
戦場にかける橋2 クワイ河からの生還
戦場の7人
戦場の小さな恋人たち
戦場の小さな天使たち
戦場のメリークリスマス
戦場のピアニスト
戦場を駆ける男
戦塵
潜水戦隊帰投せず
前線命令
戦争の犬たち
戦争のはらわた
戦争のはらわた(R)
戦争プロフェッショナル
戦闘機攻撃
戦略空軍命令
戦略大作戦
総攻撃
祖国は誰のものぞ
底抜け艦隊
ソドムの市
ソフィーの選択
ソルジャー ストーリー
ソルジャー・ボーイ

 

サンタ・ビットリアの秘密

ケン・ブックスNo.102

1968年12月発行
発行所:ケンリック極東株式会社
A4版16P

[解説]

 いつも社会的なひろがりをもち、人間の愛憎をドラマティックに描いた話題作を手がけているスタンリー・クレイマーが、「手錠のまゝの脱獄」「渚にて」「ニュールンベルク裁判」「おかしな・おかしな・おかしな世界」「愚か者の船」「招かれざる客」などの諸作を上まわる傑作を完成した。それがこの「サンタ・ビットリアの秘密」である。
 第2次大戦末期のイタリアにあるサンタ・ビットリアを舞台に、街の唯一の財源である100万本のワインを、ドイツ軍に没収されることから防ごうと、住民すべてが酒好きの市長の指揮下、必死の努力を重ねていくありさまを、コメディー・タッチで描いている。
 原作はロバート・クライトンのベストセラー小説「サンタ・ビットリアの秘密」で、これを、「マダムと泥棒」と「アメリカ上陸作戦」でアカデミー脚本賞にノミネートされ、近作「招かれざる客」では金色のオスカ一像を手にした才人ウィリアム・ローズが、ベン・マドーと共同で脚色に当った。
 撮影は「掟」「若者のすべて」「ボッカチオ70」「山猫」それに「家族日誌」など、多くの秀作を担当している名キャメラマンのジュゼッペ・ロトゥンノ。
アンティコリ・コッラドほかのロケーション撮影を、パナピジョン・テクニカラーでみごとにおさめている。
 キャストは、酒好きの市長ボンボリーニに、「革命児サパタ」と「炎の人ゴッホ」で2個のオスカーを得た名優で、最近も「名誉と栄光のためでなく」「真昼の衝動」「25時」「サンセバスチャンの攻防」と、ますます快調のアンソニー・クイン。その妻で勝気な性格のローザに、イタリア映画界屈指の大女優で「バラの刺青」では、アカデミー主演女優賞を獲得しているアンナ・マニャーニ(蛇皮の服を着た男)。ドイツ軍のキャプテン、フォン・プルムに、「飛べ!フェニックス」や「太陽のサレーヌ」の好漢ハーディ・クルーガー。彼を悩ますローマ帰りの美女カテリーナに、「女房の殺し方教えます」でハリウッドに進出した機会に、ブルーネットの髪をブロンドに染めて、一躍イメージ・チェンジに成功して国際的なグラマーになった「25時」「女と将軍」のビルナ・リージ。彼女の恋人で脱走兵のトゥーファに、この映画でデビューするイタリアの人気歌手セルジョ・フランキというクレイマー好みの顔ぶれ。
 助演者は「女ともだち」のバレンティナ・コルテーゼ、レナート・ラスチェル、それにジャンカルロ・ジャンニーニなどである。

[プロダクション・ノート]

 クレーマーは1966年に、ハリウッドの文学関係担当者から、ある秘密情報を入手しました。それは「サンタ・ビットリアの秘密」という本の出版が迫っており、ものすごい勢いでベストセラーになることは確実だということでした。すでに20世紀フォックスとMGMの両者が、その映画化権を切望していると知ったクレイマーは、原作者のロバート・クライトンに会って、出版以前にゲラ刷りを手に入れようと、日参しました。この熱意が通じて両者の間に取引が成立し、クレーマーによる映画化が実現したわけです。

 アンチィコリ・コッラドとカプラニカの村、ハドリアンの別荘からそう遠くない古代ローマ時代の洞穴、それに有名なチボリの海岸町が、主要ロケ地として選ぱれました。アンチィコリ・コッラドは、13世紀にノルマン人が居を定めた部落で、高度2000フィートの山の頂上にあります。600年もの間、俗世から遠く離れて、12の戦いも19世紀のサラセン人の侵入も知らず、安眠をむさぼっていた村です。この村がデンマーク人でローマに留学していた芸術家によって発見されたのです。彼は週末旅行にきて嵐にあい、村人から厚いもてなしを受けました。彼はローマに帰ると、そのことをみんなに知らせました。そのときからここは、西洋の芸術家たちの間で評判となり、“真珠の女”で知られるフランスの風景・肖像画家コロー(1796〜1875)や、“考える人”のフランス人彫刻家ロダン(1840〜1917)など、有名芸術家を多数迎えています。
 この村の自然の美しさは、芸術家たちにとって非常に魅力があるだけでなく、ローマの息苦しい熱気をのがれて避暑にくる人々にも、パラダイスのような申し分ない場所です。現在、この村の住民は約1500人ですが、夏期ともなれば、涼を求めに山々に流入するたくさんの訪問客で、人口は急増します。

 この映画の陰の主役はブドー酒です。先祖以来ブドー酒に命を賭けた農民がドイツ軍から100万本のブドー酒を守り抜く場面で協力を申し出たのは世界的に有名なチンザーノ。酒蔵に眠る棚の瓶、手から手へ街から丘の洞窟へと運ばれるボー大な数の酒瓶、1940年代のラペルや勿論中身まで。それからブドーの樹など揃えてくれた。クレイマーはその協力のお礼に酒蔵の入口にチンザーノの名をはりセリフにも商品名を入れて感謝を表した。

 アンソニー・クインは監督のクレイマーについて、次のように語っています。「私はいままで12人の監督のもとで働いた。スタンリー・クレイマーは13人目だが、彼との間には何もトラブルは起きなかった。俳優はレース用の馬みたいなもので、よい騎手が必要だ。クレイマーは馬の私にとって、上手なたずなさばきの騎手で、もし彼がその手をゆるめれば、私はたちまちうろたえてしまっただろう。この映画では、私はただひとりイタリア人でないのに、イタリア人を演じているのだから、特別に指導が必要だった。私があまりイタリア人になりきると、クレイマーはオーバーになりすぎないよう、ためらわずに注意してくれた。また一般的にいって、俳優が成功をおさめるためには、映画とは無関係な多くの人々にめぐりあうことも、重大な仕事だと思う」