[解説]
一九三九年九月、後に元英国首相、故ウィンストン・チャーチルがその「大戦回顧録」の中でいみじくも云った「無用の戦争」が勃発した。第二次世界大戦である。
開戦から一九四五年五月七日、ドイツが無条件降伏するまでの五年八ヶ月はヨーロッパの歴史における最も苦い歳月であり、同八月十五日、日本の無条件降伏までの期間は世界の悪夢であった。
この映画は、その悪夢の第二次大戦の六年間を、ドイツ最高司令部の戦史に基づいて編集した、ありのままの記録である。使用されたフィルムの大半はドイツ最高司令部の命令により撮られたフィルムで、これらは、長らく(秘)と印され、公開されていなかったが、数年前、やっと日の目を見たものだ。
特に後半のベルリン陥落あたりのシーンは、ドイツの政府当局がなかなか一般公開しなかった程で、その市街戦と廃墟と化したベルリン市内の大惨状は、目を覆いたくなる程だ。
近代兵器の発達により破壊的になっていった近代戦争の実体は、費やされた戦費四兆億ドル、戦死者実に五千五百万人という数字に現わされているが、この破壊的戦争をあらゆる角度からとらえた、このドキュメント・フィルムは、単に戦争の恐ろしさ、無惨さを謳ったものではなく、過去の悪夢を二度と起さないための新らしい手引となろう。 |