[解説]
1975年11月2日電光石火の衝撃波が世界を突走った。突然の死からおよそ1年。性と暴力という非常手段を用いて、映画史にかつてない鮮烈な映像文学を展開させ、鬼才の名をほしいままにして逝ったピエル・パオロ・パゾリーニ監督最後のメッセージが届いた!
時あたかもヒトラー占領下の北イタリア1944年。ナチズムに加担する大総領、公爵、殿下、猊下と名乗る4人のファシスト・グループが傲慢な権力をカサに、神をも恐れぬ一大狂宴を開始した。町という町、村という村から狩り集められた類いまれな美少年美少女数百人、その中からさらに選んだ18人の男女をいけにえに、強姦、男色、苔刑、スカトロジー(糞尿食い)、大虐殺という想像を絶した地獄のパノラマが繰り展げられる。崩壊ナチの最後のアガキを象徴するのか、ファシズムのかいらいたちを中心に展開する凄惨な修羅場。パゾリーニ映画の集大成たるべく凄まじい画面の連続が観るものを打ちのめす。
原作は18世紀文学の異端児マルキ・ド・サドの「ソドムの120日」。これをパゾリーニとセルジオ・チッティが共同脚色。音楽監督をエンニオ・モリコーネ、撮影にトニノ・デリ・コリとパゾリーニ映画の常連が顔を揃える。
出演はパオロ・ボナチェリ、ジョルジオ・カタルディ、ユベルト・P・クィンタバル、アルド・バレッティ、カテリーナ・ボラット、エルザ・デ・ジョルジらイタリア映画・演劇界のベテラン俳優。
ファシズム批判にしてはあまりにも面妖怪奇な映像美。映画史上最大のパニックと論争を噴き上げて上陸した世紀の問題作。果して、神をも恐れなかったのはパゾリーニか、はたまたその作品思想を圧迫し続けた権力側か。パゾリー二すでにこの世にない現在、疑惑の解明はいま我々に委ねられた! |