[パンフレット] 353作品

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解説、プロダクションノートはパンフレットの表記そのままで掲載していますので誤字・脱字・旧字・旧仮名づかい等があります。ご了承下さい。

<サ行>

最後の太平洋戦争
最後の決死隊
最後の橋(2種類)
サイゴン
最前線
最前線物語
ザ・キープ
砂漠の鼠
砂漠のライオン
砂漠部隊
鮫と小魚
サヨナラ
さよなら子供たち
さらば外人部隊
サルバドル 遙かなる日々
サンタ・ビットリアの秘密
サン・ロレンツォの夜
ジェット・パイロット
地獄と高潮
地獄に堕ちた勇者ども
地獄の7人
地獄の謝肉祭
地獄の戦場 コマンドス
地獄の戦線
地獄の黙示録
地獄の黙示録 特別完全版
地獄への退却
史上最大の作戦
姉妹と水兵(復刻版)
十字砲火
将軍たちの夜
勝利者
勝利なき戦い
勝利への脱出
ジョニーは戦場に行った
シン・レッド・ライン
シンドラーのリスト
侵略戦線
新13階段への道 ナチ生体実験
姿なき軍隊
頭上の脅威
スターリングラード(2000)
聖なる嘘つき その名はジェイコブ
セブン・ビューティーズ
ゼロ地帯
戦火の勇気
戦艦シュペー号の最後
全鑑発進せよ
潜航決戦隊
潜行突撃隊
戦場(1961)
戦場(1978)
戦場にかける橋
戦場にかける橋2 クワイ河からの生還
戦場の7人
戦場の小さな恋人たち
戦場の小さな天使たち
戦場のメリークリスマス
戦場のピアニスト
戦場を駆ける男
戦塵
潜水戦隊帰投せず
前線命令
戦争の犬たち
戦争のはらわた
戦争のはらわた(R)
戦争プロフェッショナル
戦闘機攻撃
戦略空軍命令
戦略大作戦
総攻撃
祖国は誰のものぞ
底抜け艦隊
ソドムの市
ソフィーの選択
ソルジャー ストーリー
ソルジャー・ボーイ

 

祖国は誰のものぞ

1963年6月発行
発行所:大阪映画実業社
A4版16P

[解説]

 第二次大戦中、平和を愛するナポリ市民が、ドイツ占領軍の暴力に抗して、文字通り町ぐるみの市街戦を展開し、遂に強力なドイツ軍を同市から撤退させて、対独レジスタンスヘとイタリア国民を奮起させた有名な事件を描いたもので、昨年十一月十五日ローマのオペラハウスでワールド・プレミアが開かれ、ロ
ッセリーニ監督作品「無防備都市」以来、イタリア・レジスタンスの最高傑作として多大の感動を与えた映画である。
 原題名の「ナポリの四日間」とは、一九四三年九月二十八日から十月一日までの四日間のことで、ナポリ市民が昼夜を分かたぬ血みどろなゲリラ戦をくりひろげて、戦車隊を含む完全装備のドイツ軍を撤退のやむなきにいたらしめた光栄に満ちた歴史の一頁である。
 その頃のイタリアは、同年七月ムッソリーニのファシスト政権が倒れて、バドリオの新政府が誕生、国民に平和への希望が生れたが、これをイタリアの裏切りと見たドイツ軍は電撃的にイタリア本土に進駐、北アフリカから反抗の歩を進める連合軍を迎えうつ体勢をとっていた。そのためイタリア国民は、新政府の休戦宣言に歓呼を送りながらも、平和への希望と戦場となる恐怖との間に不安な日を送っていた。当時ナポリはドイツ軍の最前線で、強力な機甲部隊の占領下にあった。
 もともとナポリ市民は(生活をエンジョイしようという温順な平和主義者で、権力に反抗することからは、およそ縁遠い人々だったが、ドイツ占領軍の目に余る暴力に、心の底から怒りを発し、遂に武器を取って立ち上ったのである。これは決して計画的なものでなく、個人個人のやむにやまれぬ怒りだっただけに、全く組織的ではなかったが、男も女も、老人から子供まで、文字通り町全体が体当りするという必死の物凄さがあった。この死にものぐるいの強さが、ドイツ軍に撤退を余儀なくさせたものと云えよう。
 この勝利は平和なナポリ人が自分の手で勝ち取ったものだけに、イタリア国民に与えた感動は決定的だった。ナポリに続けとばかり対独レジスタンスが全国的に湧き上ったのも当然と云えよう。映画はこの歴史的事件を出来るだけ忠実に再現しようと試みた。監督のナンニ・ロイは「ビアンカ」の脚本を書いたバスコ・プラトリーニ、バスクアーレ・カンパニーレ、マッシモ・フランチオサの三人と協力して事実を集めストーリーにし、これからカンパニーレ、フランチオサ及ぴカルロ・ベナーリと共に脚本を書いた。撮影は「豊かなる成熟」のマルチェロ・カッティが担当、ナポリ市当局や市民の全面的協力を得て、同市に四カ月間の長期ロケーションを行った。なお監督のナンニ・ロイは、映画に入る前、ローマ大学哲学科の助教授であった。
 これには「情事」「ロード島の要塞」などのレア・マッサリ「狂った情事」「橋からの眺め」のジャン・ソレル、「鞄を持った女」のジャン・マリア・ボロンテなど約二十名の俳優が出演したが、ナポリ市民一万二千人が積極的に参加、作品の迫真性に大きな貢献をしている。監督のナンニ・ロイも「この映画のスターはナポリ市民だ。」と云っているが、イタリア上映のものには、ナポリ市民に敬意を表して、俳優たちがクレジットに名をつらねることを遠慮した。ここにはヒロイックなジェスチャーは見当らない。自発的、自己犠牲的な反抗の真実にあふれているが、その烈しさの中にも人間性の美しさや尊さ、ナポリ人の気質や根強い日常性などが随所に現われて、見る者の心を潤おしてくれる。音楽は「刑事」「ローマの恋」などのカルロ・ルスティケリが、古いナポリのメロディをもとにして、美しく悲しく、生き生きとした曲を提供した。
 尚、戦車に立ち向って死んだ少年はじめ、この四日間の戦死者には、政府から金の勲章がおくられた。ゴッフレード・ロンバルドがMGMのために製作した一九六二年のメトロスコープ作品。