[パンフレット] 353作品

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解説、プロダクションノートはパンフレットの表記そのままで掲載していますので誤字・脱字・旧字・旧仮名づかい等があります。ご了承下さい。

<タ行>

第17捕虜収容所
第27囚人戦車隊
第五戦線 遠い道
第7の暁
第8ジェット戦闘機隊
第八高地突撃隊
体当り突撃隊
タイガーランド
大進撃
大侵略
大戦争
大地と自由
大突撃
大反撃
太平洋紅に染まる時
太平洋の地獄
大編隊
太陽にかける橋 ペーパー・タイガー
太陽の帝国
戦う雷鳥師団
脱走山脈
脱走兵
小さな赤いビー玉
地下水道
地下組織
地上最大の脱出作戦
チャップリンの独裁者(2種類)
追撃機(2種類)
追想
ツェッペリン
ティアーズ・オブ・ザ・サン
ディア・アメリカ 戦場からの手紙
ディア・ハンター
抵抗(レジスタンス) 死刑囚の手記より
抵抗の詩
デルタ・フォース
テレマークの要塞
道中の点検
遠い道
遠すぎた橋
トコリの橋
ドッグ・ソルジャー
特攻決死隊
特攻決戦隊
特攻大作戦
トップ・ガン
友よ、風に抱かれて
渡洋爆撃隊
トラ トラ トラ!
捕えられた伍長
トリプルクロス

 

ドッグ・ソルジャー

1978年11月発行
発行所:松竹株式会社事業部
提供:日本ユナイテッド・アーチスツ
定価300円
A4版20P

[解説]

 命を張って守り抜いた白い粉が、メキシコの荒野に舞い上がる……。末端価格300万ドル、重量2kgの純良ヘロインを身につけて、サイゴン→カリフォルニア→メキシコを駈け抜けた名もなき兵士の賭けが無に帰した時、それは同時にアメリカの夢の大いなる崩壊でもあった 。
 75年度全米推薦図書賞に輝いたロバート・ストーンのベストセラー小説の映画化。70年代初頭のベトナム戦争泥沼化をバックに、ベトナム⇔米西海岸を結ぶ戦慄の麻薬ルートに身を挺したタフな戦争屋の行動を通して、アメリカの病巣であるドラッグ・ピーフル(麻薬汚染層)の実態を鋭い風刺とメスで切り裂いた異色のアクション・アドベンチャー。今年度カンヌ映画祭に正式出品され、 炎の戦場シーンから、 J ・ヒューストン監督の名作「黄金」をほうふつとさせる強烈で皮肉タップリなラストまで、息もつかせぬサスペンス感覚がフェスティバルの、話題を独占した。
 主演はTVシリーズ『富める者、貧しき者』で全米女性ファンのアイドルとなり、 「ザ・ディープ」で颯爽と映画界にデビューしたニック・ノルティ。60年代の青春スターから最近「ミスター・グッドバーを探して」でドラマチックな変身を見せてくれたチューズディ・ウェルド。さらに映画・TV・舞台の三分野で注目の若手演技派マイケル・モリアティの3人。これにアンソニー・ザービー、デイビッド・オパトッシュらクセ者演技陣が脇を固めている。
 製作は「風とライオン」のハーブ・ジャフェと「サブウェイ・パニック」のガブリエル・カツカの2人。ストーンの原作を彼自身とジュテ"ィス・ラスコーか共同脚色し、「裸足のイサドラ」「熱い賭け」の鬼才カレル・ライスが監督した。撮影は「キング・コング」のリチャード・クライン、音楽は「サウスダコタの戦い」のローレンス・ローゼンタールがそれぞれ担当。 CCRのヒット曲「フール・ストッブ・ザ・レイン」 「プラウド・メアリー」 「ヘイ・トゥナイト」などが効果的に挿入されている。

[プロダクション・ノート]

●…製作のハーブ・ジャフェがこの作品の製作を思い立ったのは、「風とライオン」スペイン・ロケの帰途でのこと。機内でヘラルド・トリビューンに目を通していた彼。そこへ突然飛び込んできたのが小説「ドッグ・ソルジャー」の素晴しい寸評だった。ニューヨークヘ戻って早速効きだした彼のもとへ、ほどなくけたたましい電話が1本。親友の製作者ガブリエル・カッカからで、半分ずつの出資で面白い原作にツバをつけないかという。これが何と「ドッグ・ソルジャー」だった。それから2人してNY五番街のダブルディ社へ駆けつけ、権利を買い付けた時のスリルは忘れられないものだったという。現在、2人は、“催眠”をテーマとしたチャールズ・パナティの科学サスペンス小説「連関」の権利を手に入れ、やはりUAのために準備中だ。
●…原作者ロバート・ストーンとともに、この息詰まるストーリーの脚色に当たったジェティス・ラスコーは、脚本を書きだして初めて満足のいく仕事ができたという。始め、ストーン自身が二度脚本を書き、次にチャールズ・イーストマンが別の本を書いた。結局、ストーンとラスコーの共作が最終稿となったわけで、ラスコーの参画なしに映画「ドッグ・ソルジャー」は陽の目を見なかったことになる。
●…ラスコーが「ドッグ・ソルジャー」の脚色にタッチするそもそものきっかけは、原作を読んだ彼女の感動に起因する。あるパーティでユナイトの女性幹部と立話の機会を得た彼女、ここ10年来で最も感銘を受けた小説の話をした。これが「ドッグ・ソルジャー」。丁度、ストーンと監督のカレル・ライスが脚色に四苦八苦していた頃で、その女性幹部の紹介で、ラスコーはストーン、ライスらと面談。映画化のアイデアを熱を込めて語り続けた。一緒に仕事をしないかというライスからの連絡が彼女のもとへ入ったのはそれから間もなくだった。1976年、ロンドンヘ飛んだラスコーはライスと打ち合わせをしながら約3週間かけて第一稿を完成した。
●…この作品の最大の魅力の一つに、主人公レイ・ヒックス役ニック・ノルティのミステリアスで鬼気迫る演技があるといっても、決して言い過ぎではないだろう。タイプ的に個性の強い方ではないが、クーパーやロバート・レッドフォードに通じる寡黙でタフでロマンチックなムードは、女性ファンにかなりアピールしそうだ。カレル・ライス監督はそんな彼を評してこう言う。
「私がつき合った男優の中では最も面白い個性の持主だ。 “ドッグ・ソジャー”での彼は全く単一の表情で押し通す。しかし、その一見無感動な表情の中に、若者の怒りと喜びと哀しみが見事に表出されていたと思う。ニックはセリフ回しがどうのこうのというより、ムードで勝負する俳優だ」
ところで、私生活におけるノルティとはどんな男なのか。彼は現在、サンタモニカ山山中の10エーカーの土地に、犬10匹、猫6匹、さらに牛、馬、豚、鶏、ヤギなどの家畜類に囲まれて自然児のような暮らし。古トラックやジープを修繕して乗り回すのが最高の楽しみだという。ところがそんな彼も、長年同棲していて、最近その関係を解消した女性に、莫大な慰謝料を請求されて弱り果てているというハリウッドスターらしいスキャンダルも伝えられている。
●…チューズディ・ウェルドにとってマージ・コンバース役ほど象徴的な役はない。神経過敏から睡眠薬を常用し、遂には麻薬に手を出すマージの姿は、そのまま10年前の彼女の姿だったからだ。愛情生活の破綻と仕事の行き詰まりから、クスリに手を出しているという彼女のゴシップが、当時のファン雑誌をかなり賑わしたものだ。いまそれについてチューズディは積極的に否定しない。
「脚本を読んだ段階ではそれほどでもなかったのに、いざ演じ始めるとこわいのよ。あまりにも自分の過去の一時期にそっくりなんですもの」とあっけらかんと語る彼女。一時の若さの危機を乗り越えて、女優としての欲を持ち始めたようだ、とゴシップ誌が伝える彼女のこれからが楽しみ。
●…最近、60年代から70年代前半を回顧、あるいは舞台にした作品が一つのブームを形成している。60年代反体制文化の終息を告げるザ・バンドの解散コンサートを映画化した「ラスト・ワルツ」、ベトナム戦争が3人の男女に与えた傷をラブストーリー形式で描く「帰郷」、さらにベトナムをテーマとした一連の作品がそうだ。で、これらの作品が、その時代背景を再現するのに好んで用いる方法が、当時流れたロック・ミュージックを映画音楽としてそのまま使うという趣向。「ドッグ・ソルジャー」もこのテクニックで素晴しい効果を挙げている。使われた曲は以下の通り。「ヘイ・トゥナイト」 「フール・ストップ・ザ・レ
イン」 「プラウド・メアリー」=クリーデンス・クリアウォーター・リバイバル。 「アメリカン・パイ」=ドン・マクリーン。 “Put A Liffle Love In Your Heart”=ジャッキー・デ・シャノン。 “I'II Step Down”=スリム・ホイットマン。「ギム・サム・ラビン」=スペンサー・デイビス・グループ。 「ゴールデン・ロケット」=ハンク・スノウ。