[パンフレット] 353作品

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解説、プロダクションノートはパンフレットの表記そのままで掲載していますので誤字・脱字・旧字・旧仮名づかい等があります。ご了承下さい。

<カ行>

戒厳令
帰らざる勇者
影の私刑
カジュアリティーズ
風とライオン
合衆国最後の日
語らざる男
カミカゼ
眼下の敵
ガンジー
艦隊は踊る
帰郷
危険な道
機動部隊
奇襲戦隊
キプールの記憶
キャッシュ
キャッチ22
橋頭堡を攻撃せよ
逆転電撃作戦
巨大なる戦場
キリング・フィールド
禁じられた遊び(2種類)
空挺部隊
空軍大戦略
空爆大作戦
駆潜艇 K-255
グッドモーニング、ベトナム
暗い日曜日
グリーンベレー
クリムゾン・タイド
グローリー
クロスボー作戦
軍法会議
ケイン号の叛乱
激戦地(1946)
撃滅戦車隊3000粁
血戦奇襲部隊
決戦珊瑚海
原子力潜水艦浮上せず
攻撃(2種類)
極楽ホテル
地上より永遠に
コルチャック先生
コレヒドール戦記
コレリ大尉のマンドリン

 

キャッチ22

昭和46年10月22日発行
発行所:東宝株式会社事業部
発行権者:ケンリック極東株式会社
A4版24P

[解説]

この映画は本年度最高の問題作である。少なくとも、映画ファンを完全に興奮させるに違いない話題作である。
監督は「バージニア・ウルフなんかこわくない」で注目のデビューを飾り2作目の「卒業」でアカデミー監督賞を受賞、その映像の見事さで鬼才の名をほしいままにするマイク・ニコルズ。ベスト・セラーになったジョセフ・ヘラーの原作は「バージニア・ウルフなんかこわくない」以上に映画化の困難をうたわれたが、マイク・ニコルズのパワフルで鮮烈な感覚は見事な完壁さで映像化をなしとげた。しかし、この映画の成功には他に二つの大きな支柱がある事を忘れてはいけない。その一つは脚本のバック・ヘンリー、もう一つは主役のヨサリアンを演じるアラン・アーキンの卓越した演技力である。
脚本のバック・ヘンリーは、一見、ドタバタ風の戦争諷刺劇をはるかに次元の高い《人間賛歌》にまで歌いあげた。そして主演のアラン・アーキンの信じがたいほどに巧緻をきわめた演技の素晴らしさ。
スタッフもこの大作を支える大部隊で、第2班監督に「史上最大の作戦」のアンドリュー・マートンを起用してスペクタクル・シーンを担当させる豪華さ。飛行シーンは「おかしなおかしなおかしな世界」など、高等飛行技術では絶対的な第一人者のフランク・トールマンが70人もの部下を総動員して監修にあたっている。
撮影はデビッド・ワトキン。パナビジョン・カメラでテクニカラー・フィルムの効果は目ざましい。
キャストの顔ぶれは、ヘタな映画の5・6本はつくれそうな豪華さ。 「愛すれど心さびしく」のアラン・アーキン、連隊長にベテランのマーチン・バルサム。その副官に脚本のバック・ヘンリーが出演。 「わが愛は消え去りて」のリチャード・ベンジャミンに、 「真夜中のカーボーイ」で名をあげたジョン・ボイトがまたもうけ役で印象をさらう。私生活ではベンジャミンの愛妻ポーラ・プレンティスが看護兵でエロチックな快演。 「卒業」のテーマ曲でおなじみのアーサー・ガーファンクルが歌をすてて演技だけで活躍。従軍牧師が「扉の影に誰かいる」のアンソニー・パーキンスで将軍がオーソン・ウェルズという気が遠くなるようなオールスター映画で、まさに演技合戦とでも言いたい白熱的な競演ぶりである。

[プロダクション・ノート]

★映画界で飛行機のアクション・シーンがあると必ずその名が出るヒコーキ野郎フランク・トールマン。 「第2次大戦当時の爆撃機を18機、メキシコで使いたいから」と要求されて、ただちにパイロットもろとも用だてできるのは世界広しといえど彼だけしかいないだろう。5歳の時、第1次大戦のパイロットだった父のヒザの上で飛んだのが初飛行。以来、アメリカ空軍の飛行教官をつとめ、戦後はあらゆる飛行機とその高等技術をものにして政府や民間航空会社のためのテスト飛行、航空ショーのためのスタント、映画撮影、などあらゆる事をやった。彼の乗った飛行機で飛ばなかった飛行機はないといわれ、1914年製のイギリス戦闘機ソプウイッズ・キャメル、1918年製フォッカー・ローク戦闘機、1917年製フランス・ニューポール機、世界にたった1機というドイツのファルツ戦闘機など枚挙にいとまがない。この中でもファルツ機などはパイロット連が誰も乗ろうとしなかった恐怖の飛行機というシロモノだという。

★マイク・ニコルズ監督が大変気に入ったというロケ地はグエイマスに近いメキシコ奥地。最初、ロケ地は絶対に原作通りの地中海のイタリアに近い小島でといっていたが、地中海の島々はあまり俗化にしていてとうていカメラの冷酷な目には耐えられない。そして候補に上ったのがメキシコの奥地。ロケ・ハンティングの一行は飛行機でその場所を捜したのだが実際にそこを訪れたスタッフは驚いた。それはまるで「サボテンのはえた月面」という荒地であり、山を爆破して基地を作り、雑草、サボテンをなぎ倒して滑走路を通し、ガラガラ蛇、コヨーテを退治して宿舎を建設した。そのために75人の地元労務者が蕃刀をふるって働いた。
最も苦労したのは、プロダクション・マネージャーのリチャード・シルバートで、これらの難工事の上、監督のマイク・ニコルズから完全なプライバシーを要求されたため、撮影中には“立入禁止”“爆発物危険”の札を出し、メキシコ海兵隊に巡回をさえ要求した。あながち、それはコケおどかしではなく、片脚着陸する爆撃機や、ワン・シーンで1万6千本ものダイナマイトが爆発したりする危険きわまりない場面の続出であった。
終って、マイク・ニコルズ監督は上機嫌だった。「電話もないし、メモも回ってこない、こんなに仕事に集中出来たのは何といってもよい気分です」