[パンフレット] 353作品

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解説、プロダクションノートはパンフレットの表記そのままで掲載していますので誤字・脱字・旧字・旧仮名づかい等があります。ご了承下さい。

<タ行>

第17捕虜収容所
第27囚人戦車隊
第五戦線 遠い道
第7の暁
第8ジェット戦闘機隊
第八高地突撃隊
体当り突撃隊
タイガーランド
大進撃
大侵略
大戦争
大地と自由
大突撃
大反撃
太平洋紅に染まる時
太平洋の地獄
大編隊
太陽にかける橋 ペーパー・タイガー
太陽の帝国
戦う雷鳥師団
脱走山脈
脱走兵
小さな赤いビー玉
地下水道
地下組織
地上最大の脱出作戦
チャップリンの独裁者(2種類)
追撃機(2種類)
追想
ツェッペリン
ティアーズ・オブ・ザ・サン
ディア・アメリカ 戦場からの手紙
ディア・ハンター
抵抗(レジスタンス) 死刑囚の手記より
抵抗の詩
デルタ・フォース
テレマークの要塞
道中の点検
遠い道
遠すぎた橋
トコリの橋
ドッグ・ソルジャー
特攻決死隊
特攻決戦隊
特攻大作戦
トップ・ガン
友よ、風に抱かれて
渡洋爆撃隊
トラ トラ トラ!
捕えられた伍長
トリプルクロス

 

脱走山脈

ケン・ブックスNo.85

1969年3月発行
発行所:ケンリック極東株式会社
A4版20P

[解説]

第二次世界大戦中に、実際にドイツ軍の捕虜生活を送ったイギリス兵、トム・ライトのオリジナル・ストーリーを、プロデューサーで監督のマイケル・ウィナー「明日に賭ける」が共同で検討し、ディック・クレメントとイアン・ラ・フレネの2人が共同で脚色したスリル満点の冒険映画。
主演のオリバー・リードは、ウィナー監督の目ぼしい作品には殆んど主演しているという常連。この映画では、戦場にいるのはただ運命に強制されているだけで、現時点での本当の生きがいは、1頭の象を救い出すことだけにある、という型破りで、しかも平凡な男を見事に演じている。対照的なのがマイケル・J・ポラード粉するパッキー。彼が戦うのは国とか、家族とかのためではない。戦うことそのものに生きがいを感じているのだ。これも一見、型破りに見えながら、実際にはどこにでもいる平凡な男である。ウィナー監督の、英雄ではなく、特異な状況に置かれた平凡な人間を描くという意図が、この二人の性格によく現われている。ともあれポラードは、「おれたちに明日はない」で見せたとぼけた演技とは、少し違った味を見せている。
ヒロインになる象のアイダは、生後間もなくオランダへ渡り、3、4年のサーカス生活のあと、さまざまな映画に出演するようになったベテラン。この映画の終了後も、南米で映画出演することになっている売れっ子である。
脇役陣には「大列車作戦」のドイツの性格俳優ウルフガング・プライスを始め、ウィーン生まれ・のヘルムート・ローネル、彼の奥さんでベルリン生まれのカリン・バール、そして悪役はこの映画が初めてだというペーター・カルステンなど、多彩な顔ぶれが揃っている。

[プロダクション・ノート]

この映画のヒロインは身長6フィート7インチ、体重5トン、セイロン生まれで、芳紀15才のインド象アイダである。1日にオレンジ、バナナ、乾し草、麦などを500ポンドも食べ、水を40ガロンも飲む女傑なので、ロケ隊は大忙しだったが、アイダがいない限り映画はできないので、監督以下全スタッフが全力投球でゴキゲンをとり結んだ。彼女の出演映画はこれが61本目だが、こんな大役は初めてなのでロケ日数は4週間。最初の1週間を稽古にあて、残りの3週間が撮影に費やされた。ところでこの間の苦労は食物だけではなかった。象は2000メートル以上の高所に48時間もいると、空気が稀薄なために不眠症になり、食欲もなくなってしまうので、2日おきに、低地へおろさなければならなかった。食事が3時間おきなのはまだしも、夜中に3時間しか眠らないのも困りものだった。暗闇を非常に怖がり、1頭だけでは決して眠らないので、やはり15才になるオス象を呼びよせ、一緒に寝かせたが、睡眠時間が3時間というのは、2頭が交代に起きて見張りをする習性があるためだった。ただこの映画のシーンにもある水浴びは、非常にスムーズにいった。水を浴びるのが大好きで、自分からどんどんはいって行ったからで、手がかかったといえば、撮影が終ったあとで、水から出すのに苦労したぐらいのものだった。

リアリズムの鬼を目ざすウィナー監督だけあって、1944年のドイツ、イタリー、オーストリアを再現するためにロケ撮影に際しては全神経を集中した。ミュンヘン市街の撮影だけでも、700本のテレビ・アンテナを取り除かせたのを始め、無数の看板、新しい型の車、電柱、その他戦後に作られた物は完全にカメラの前から姿を消させた。市街地以外で力を入れたのは壮絶な列車の脱線シーン。モンタフォン鉄道を3週間借り切り、利用者のためにバスを運行させ、丸太を付近一帯から買い集め、美術のジョン・ストールに戦車の精巧なモデルを作らせ、戦後の電柱や鉄塔を引き抜き、列車の運転士には時速30マイルになるまでとび降りさせず、列車が河に突っ込む時には70マイルのスピードに上らせた。また列車が脱線した直後の決定的瞬間をとらえるために、いろんな場所から、15台のカメラで撮影するという念の入れようだった。