[パンフレット] 353作品

[] [] [] [] [] [] [] [] [] [] [英数字] [プレスシート]

所有しているパンフレットを随時アップしています。珍しい物はありませんがご覧ください。

解説、プロダクションノートはパンフレットの表記そのままで掲載していますので誤字・脱字・旧字・旧仮名づかい等があります。ご了承下さい。

<カ行>

戒厳令
帰らざる勇者
影の私刑
カジュアリティーズ
風とライオン
合衆国最後の日
語らざる男
カミカゼ
眼下の敵
ガンジー
艦隊は踊る
帰郷
危険な道
機動部隊
奇襲戦隊
キプールの記憶
キャッシュ
キャッチ22
橋頭堡を攻撃せよ
逆転電撃作戦
巨大なる戦場
キリング・フィールド
禁じられた遊び(2種類)
空挺部隊
空軍大戦略
空爆大作戦
駆潜艇 K-255
グッドモーニング、ベトナム
暗い日曜日
グリーンベレー
クリムゾン・タイド
グローリー
クロスボー作戦
軍法会議
ケイン号の叛乱
激戦地(1946)
撃滅戦車隊3000粁
血戦奇襲部隊
決戦珊瑚海
原子力潜水艦浮上せず
攻撃(2種類)
極楽ホテル
地上より永遠に
コルチャック先生
コレヒドール戦記
コレリ大尉のマンドリン

 

影の私刑

1984年11月発行
発行所:松竹株式会社事業部
定価400円
A4版24P

[解説]

カロライナ陸軍士官学校──祖国を守る礎となる“男”を創りあげるため、鉄の規律と苛酷な校則では他に類を見ない伝統の校風。威風堂々とそびえ立つこの士官学校の隠された“暗部”を知った、卒業間近のエリート士官は、義噴を込めて反逆ののろしをあげてゆく。
 その“暗部”とは、「テン」と呼ばれる秘密グループ。この伝統の士官学校を汚すような憶病者や黒人の新入生に狙いをつけ、様々ないやがらせ、脅迫、そして実力行使を加え、それでも屈しなければ“穴倉” と呼ばれる部屋に連行し理不尽な拷問を加え、退校を承諾させるという闇のサディスト集団だった。
 この「テン」の標的の犠牲者が遂に出る。肥満体の新入生ポティは、「テン」の度重なる脅迫に錯乱し、校舎の屋上から転落死した。次の標的は、黒人のピアースだ。唯一の黒人新人生である彼を、「テン」は許さなかった。薄汚ニガーが栄光の士官服を身につけるなど言語道断というわけだ。
 カロライナ士官学校の格式と名答を守るためには手段を選ばない。これが、永年に渡ってこの士官学校の陰で暗躍する「テン」の狂気の碇なのだ。
 「テン」を操るのは一体何者なのか!
 正義感に燃え、人間としての情もあるエリート士官候補生ウィルは、この「テン」の存在を苦々しく思う大佐の命を受けて、黒人新入生ピアースを陰となって守ってゆき、「テン」の実態をつきとめ、この闇のグルーブの根絶をはかるべく、卒業まじかに事を荒だてることはないという打算を排除し、虎にも似た行動を開始する。
 義噴に燃える硬派ヒーローが、保守と封建性のはびこる巨大な士官学校の悪に敢然と挑む。旧軍隊にも似た凄絶な新兵いびりの描写の連続、格式ある士官学校の数々のセレモニー、そして意外な展開を観せるサスペンスフルなストーリーは、みる者を大いに惹きつける。
 主演の士官候補生ウィルに扮するのは、「愛と青春の旅立ち」でリチャード・ギアの親友役で、自ら生命を絶つ悲劇的な最期を印象的に演じ、若手有望株筆頭に踊り出たデビッド・キース。今回もまた士官候補生役だが、なるほどピタリの適役だ。歪んだ体制に意志と闘志で立ち向かう“男の美学”を見事に体現し、併わせて“男の成長ドラマ”の主人公を堂々とこなしている。
 他に「地獄の黙示録」のG・D・スプラッドリン、舞台出身のロバート・プロス
キー、バーバラ・バブコック、マイケル・ビーンなどの演技派がガッチリ固めている。
 原作はパット・コンロイのベストセラー小説。これを「さらば青春の光」で注目を浴びたイギリスの鬼才フランク・ロッダム。その叩きつけるような力強い作風は今回も十分に発揮され、女っ気のほとんどない男の世界の中で展開される謎と恐怖、衝撃と興奮、ユーモアと詩情を確かな演出力で、醸し出している。
 士官学校の壮厳だが不気味な雰囲気を映し出す撮影は「ヘビー・メタル」のブライアン・テュフアーノ。 士官候補生の様々な制服に凝りまくる衣装を「ガンジ
ー」のジョン・モロー。キリリと引き締った編集は「スーパーマン」のマイケル・エリス。そして“ムーン・リバー”“マイウェイ”などのヒット曲をちりばめ60年代前半のムードを良く伝えている音楽をハワード・ブレイクが担当している。
 超一流のスタッフと気鋭のキャストで魅せる、鉄の規律の男たちの激烈な闘争ドラマの力作である。

[プロダクション・ノート]

☆ 「私は、例の学校について心に引っかかっていた事を、何であれ全部、暴露してみたかったのだ。みじめな思い出、反対にすばらしい思い出、その両方を表現したかった」と原作者パット・コンロイは言う。
 コンロイが言っているのは、彼が成長期の4年間を過ごした南部の兵学校のことだ。そこでの、4年生による、“Knob”(こぶし/男性性器)と呼ばれる下級生に対する、信じられないほど残酷な扱いを受けて、彼はひどく傷ついたが、それと同時に、そのような状態から生まれて来た友情の強いきずなによって元気づけられ、強くもなった。そして、ここでの体験は、彼の心の中に、一生忘れられない、学校に対する深い愛憎の思いを残した。
 小説は、確かに、彼自身の体験に基づいて書かれ、主人公のウィル(デビッド・キース)は、コンロイ自身を反映しているが、ウィルがあばく学校内の秘密組織“テン”は、コンロイの想像力の産物だ。「“テン”は存在しなかった」と、彼は言う。「私は、4年生の時ある秘密組織に人るように誘われたけれど、その目的は、外部の力に学校の組織を弱めさせないことだった。でも、実際には何もしないでいろいろな話をしていただけだった。」
 しかし、脚色のロイド・ホンビエールが指摘するように、「“秘密組織”を作るという考えは、とても南部的だ。たとえば、クー・クラックス・クラン(K・K・K)などがそうで、どんな危険を冒しても、自らが理想とする純粋さと品位を保つために、警察や法律の力をかりずに、自ら立ちあがるという考えの上にこのような“秘密組織”を作る。」
 コンロイは、実のところ、小説の中の秘密組織“テン”を、最近アメリカで発覚した、ある有名な海軍大学で士官候補生の組織のことをモデルにして作った。1907年以来、その組織は、毎年10人の新人を候補生の中から選んでグループにいれ、お互いの出世のために力を貸しあっていたという。発覚した時には、彼らの内の何人かは、アメリカでも最高の、最も影響力の強い地位についていたという。
☆ 映画の舞台のカロライナ士官学校のためのロケ地がアメリカ国内でみつからなかったので、ロケハンはメキシコ、カナダ、スペインの大学でも行なわれ、結局、イギリス、ロンドン郊外の、英国唯一の士官学校、サンドハースト・ロイヤル・ミリタリー・アカデミーに決まった。
★ プロデューサーのハーブ・ジャッフェと相棒のケイブ・カツカは、出版以前
に、映画化の権利を貰った。作者のパット・コンロイの最初の2作はすでに映画化され、成功している。ジョン・ボイト主演の「コンラック先生」(74)と、ロバート・デュバル主演の「パパ」だ。
☆ この映画の企画が英国人の監督フランク・ロッダムにもちこまれた時、ロッダムは、自分が探していた映画がみつかったと思った。彼はそこに彼自身のアメリカに対する愛と槽しみの入り交った感情に通じるものを見つけたのだ。彼は、最初の監督作品で批評家たちの賞賛を受けた後、ハリウッドに行き、大きな映画会社の手くだに抵抗しながら3年間活動した。彼は好みではない企画はいっさい受け付けなかったのだ。この映画には、彼が一貫して扱ってきたテーマがあった。つまり、主人公が彼を取りまく制限、それが社会的なものであれ、あるいは経済的、肉体的なものであれ、その限界を受け人れることを断固拒否するというテーマだ。
☆ 映画が描いているのは1964年のことだが、この映画のテーマは、多分に現代社会に通じるものがある。フランク・ロッダム監督は、この映画を現代アメリカの縮図としてとらえている。
 「この映画は、アメリカにおける道徳の風潮を形造る3つの要素、つまり、高い理想主義、権威主義、そして過剰暴力、を表わしている」と、ロッダムは言う。「だから、私は、単に兵学校のドラマを猫いたのではなく、私のアメリカ感を表わす映画を作ったつもりだ。」
★ エキストラたちが訓練を受けたり、行進したりしている問に、衣装班は、600着以上のユニフォームを、 一着一着体に合わせて、しかも軍隊の規格に合うように作らなければならなかった。コスチューム・デザイナーのジョン・モローは、アメリカの兵学校のいくつかから細い所を教わって、しかも、どこにもないユニフォームを創り出した。原作者のパット・コンロイは、セットを、訪れた時、ユニフォームがとても良くできていて本物らしくみえるので驚いたという。衣装班にとって、もう一つたいへんだったことは、年1回のダンスパーティのシーンで、カロライナ士官学校と士官候補生にふさわしい南部美人に着せる60年代のドレスを200着以上そろえなければならないことだった。