[パンフレット] 353作品

[] [] [] [] [] [] [] [] [] [] [英数字] [プレスシート]

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解説、プロダクションノートはパンフレットの表記そのままで掲載していますので誤字・脱字・旧字・旧仮名づかい等があります。ご了承下さい。

<英数字>

08/15
戦線の08/15
最後の08/15
1941
5月の7日間
633爆撃隊
7月4日に生まれて
9000マイルの約束
G.I.ジェーン
G.I ジョー
JSA
Oh!外人部隊
U-571
Uボート
Uボート 最後の決断
V1号作戦
Z
Z旗あげて

 

633爆撃隊

1964年7月発行
A4版16P

[解説]

最近、第二次大戦中のレジスタンス秘話が盛んに映画化されるが、この映画はフレデリック・E・スミスの原作小説に基き、ノルウェイの地下組織のリーダーが自国のベルゲン北部にあるドイツ軍の燃料工場を爆破するために英国空軍に援助を求め、特殊任務をおびた633飛行中隊が全滅に瀕しながら燃料工場の爆破に成功し、連合軍の制空権を確保する壮烈な航空映画である。
製作は「戦場にかける橋」「ナバロンの要塞」の製作スタッフ、セシル・F・フォード、監督はウォルター・E・グローマン、映画はこれで二本目だがTV監督としては一流で、 「アンタッチャブル」「裸の町」「ニューブリード」「ルー卜66」と云う一級品を時には製作も兼ねて作っている。脚色はジェームズ・クラベル(大脱走)とハワード・コッホ(“カサブランカ”でアカデミー賞受賞)の共同で脚色している。
主演のクリフ・ロバートスンは舞台、テレビで活躍しており、映画は「ピクニック」でデビュー以来「裸者と死者」「インターン」「ちびっこ天使」などに出演「魚雷艇109」では若きJ・ケネディに扮した渋い演技者。またジョージ・チャキリスは「ウエスト・サイド物語」以来一躍人気スターとなり「レッツ・ゴー物語」「ダイアモンド・ヘッド」「太陽の帝王」「あしやからの飛行」と矢つぎ早やの出演をしているが、この映画で行動的な地下組織のリーダーに扮し久々に硬派の魅力を出している。紅一点のマリア・パーシイはドイツの新進女優だが「黒い稲妻」以後は「合言葉は勇気」「男性の好きなスポーツ」それにこの作品ともっぱら国際女優として活躍する神秘的な青い眼とすばらしい金髪の美女である。助演のハリー・アンドリュースは英国演劇界でシェークスピア役者として有名。映画は「悪魔の弟子」「バラバ」「北京の55日」に出演し、この映画でも部下を死地に向わせる司令官の苦悩を内面的な演技で現している。
撮影はロンドン郊外のMGMスタジオ、ボビントン空軍基地、スコットランドで行われ、第二次大戦中に活躍し今は骨董的存在となっているモスキート爆撃機が借り出されて多分これが最後であろう勇姿を見せた。戦中パイロットとして実戦に活躍したウォルター・グローマン監督が実戦さながらの迫力ある空中戦を初めてカラーでしかもワイド・スクリーンで再現したのである。

[プロダクション・ノート]

空中戦映画が色彩でしかもパナビジョンのワイド版で撮影されたのは、この「633爆撃隊」が初めてなのだ。従来、この種の映画で迫力ある戦斗場面といえば殆んどが古いニュース映画のフィルムを挿入しているが、この映画が色彩ワイド版である為に黒白フィルムの挿入を不可能にしている。
監督のウォルター・グローマンは「観客にこの戦斗場面で生か死かと手に汗を握らせるためには我々もまた生死を賭けて撮影しなければならないしと云う信念のもとに、スクリーンに写しだされるすべての場面、岩壁への激突、胴体着陸、機体の空中爆烈、地上掃射などの危険きわまりない場面まですべてトリック無しで行われたのだ。
グローマンはヨーロッパ戦線で五十六回も戦斗に出動したB25爆撃機のベテラン・パイロットで、アフリカ、シシリー、フランスに転戦した間に数多くの殊勲章を与えられている。彼は爆撃機に乗ったものが共通して感じる生と死の境で眺める何千フィートも上空の信じられないほど美しい眺望、こうした感動を映画に再現させたかった。これが映画を色彩で撮らねばならない理由といっても言いすぎではないと語っている。
この映画の立役者は、第二次大戦に活躍したモスキート爆撃機である。機体の殆んどがベニヤ板製の双発機で、当時は七千機以上も作られ戦中、敵機六百機を撃破、二万六千八百六十七トンの爆弾を敵地へたたき込んだ赫々たる戦歴の持主、その活躍範囲も広く、爆撃機本来の使命の他に撮影偵察、対潜水艦載斗に、また一九四四年、フランスのアミエンの牢獄に穴を開け、ナチに死の宣告を受けた政治犯やレジスタンス隊員を逃がした如き軽量を利用しての離れ業も演じている。現在は五機しか残っておらず、それがこの「633爆撃隊」のために製作会社ミ
リシェ・カンパニーに貸し出され分解修理の末、再び飛行出来る状態にされた。映画に使用された英国ボビントン空軍基地に雄姿を現わしたモスキート爆撃機を見て懐しさのあまり搭乗を志願して来たパイロットが多数にいた。この映画の後、モスキート爆撃機は二、三の博物館に引取られ、伝説的な栄光に包まれて永く姿をとどめることになる。
この映画が「木の驚異」と呼ばれたモスキート爆撃機の華々しい引退興行となるのだ。「633爆撃隊」のこの数字は一から七百までの間で空軍に使用されていない唯一の数字なのである。