[解説]
大戦中、北アフリカの要衝トブルクを寡兵よくナチのロメル将軍の攻撃から守り抜いたオーストラリア兵の物語で、さきに公開された「砂漠の鬼将軍」の姉妹篇ともいうべき本格的戦争映画である。
製作は新人ロバート・L・ジャックス「綱渡りの男」、監督は「月下の銃声」、「罠」、「地球の静止する日」のメガホンを握り新感覚リアリズムの新人として注目を浴びているロバート・ワイズ、脚本は「影なき殺人」、「海の呼ぶ声」、「都会の叫ぴ」、「暗黒の恐怖」のリチャード・マーフィ。
主演は英国生れで舞台俳優出身の新人でシネマスコープ第一回作品「聖衣」に出演したリチャード・バートン、同じ英国生れで「灰色の男」、「第七のヴェール」、「妖婦」、「霧の夜の戦慄」、「邪魔者は殺せ」、「ボヴアリー夫人」、「パンドラ」、「砂漠の鬼将軍」、「流刑の大陸」、「五本の指」、「三つの恋の物語」、「ゼンダ城の虜」、「ジュリアス・シーザー」に出演したジェイムス・メイスン、同じく英国生れで「無敵艦隊」、「厳窟の野獣」、「幸福なる種族」、「ヘンリイ五世」、「間諜M一号」、「邪魔者は殺せ」、「誘惑の港」、「オリヴァ・ツイスト」、「宝島」、「海賊黒ひげ」に出演したロバート・ニュートンで、他に「ドン・フアンの冒険」、「怪傑ダルト」、「黒騎士」「ゼンダ城の虜」のロバート・ダグラス、「キリマンジャロの雪」、「海賊黒ひげ」のトリン・サッチャー、「オヴァランダース」のチップス・ラファティ等の顔をそろえている。
音楽は「拾った女」のリイ・ハーライン、音楽監督は「わが心に歌えば」のアルフレッド・ニューマン、撮影監督はルシアン・バラードであるが、戦闘場面に英軍側のキャメラに収った生々しい記録映画が挿入されている。
附記。
20世紀フォックスは、さきにロメル元師を主人公にした「砂漠の鬼将軍」(原名、砂漠の狐)を製作したところ、意外にもその内容について世間から異議が出た。これはアメリカばかりでなく、ヨーロッパにも非難の火の手があがり、イギリスでも問題となった。つまり、ナチのロメル将軍をあまりにも英雄化したという意味であったのである。フォックスでは、この意外な反響に鷲いた。これは宣伝映画ではなく、ヒットラーに反抗したロメル元師を扱ったデズモンド・ヤング代将のベストセラー「砂漠の狐」の映画化であったからである。なお、「砂漠の狐」はロメル元帥のことで英軍側がつけた異名であり、「砂漠の鼠」は英軍側が自らつけた英軍の異名である。 |