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遠すぎた橋1977年7月発行 |
[解説]★史上空前の製作費3000万ドル(90億円)を投じ、巨大なスケールで描く待望の一大戦争スペクタクル巨編。製作発表と同時に、数々の話題をまき、とりわけ世界的なスーパースター14人の出演がつぎつぎ決定するに及んで期待が大きくふくらんでいった今年随一の話題作である。 ★「遠すぎた橋」は、1944年9月の“マーケット=ガーデン作戦”を題材にしている。ノルマンディ上陸作戦が成功して3ヵ月後、英軍最高司令官モントゴメリー元帥は、オランダのアーンエム付近に、空からの空挺部隊によるマーケット作戦、ベルギーからの陸軍機甲部隊によるガーデン作戦を敢行し、アーンエム橋を占領、いっきにドイツヘの侵攻をこころみようとしたのである。5000機の戦闘機、爆撃機、輸送機、2500機のグライダー、戦車はじめ2万の車輌、30個の部隊、約12万の兵士を動員するという規模は、ノルマンディ作戦をしのいでいる。4つの橋をつぎつぎ占領し、連合軍ははじめ有利に戦闘をすすめていたが、地形の悪さ、作戦のねり方の不足など悪条件が重なり、結局この作戦は失敗に終る。 ★14大スターといっても、いわゆるオールスターのたんなる顔みせには終っていない。それぞれに性格があり、見せ場があるのである。そうでなければ、これだけの実カスターの共演はありえなかっただろう。 ★歴戦のベテランにふんするロバート・レッドフォード(大統領の陰謀)は、この映画のクライマックスであるボートによる渡河作戦で、決死のヒーローぶりをみせる。ジェームズ・カーン(ゴッドファーザー)は、敵弾をくぐりねけながら森の中でジープをぶっ飛ばすこわいもの知らずの軍曹役。ジーン・ハックマン(ポセイドン・アドベンチャー)は無謀な作戦に懐疑的なポーランド空挺旅団長。ショーン・コネリー(風とライオン)は孤立させられてしまう師団長。ライアン・オニール(ぺ一パームーン)は、米陸軍きっての若い准将できれ者。エリオット・グールド(マッシュ)は、いつも葉巻をくわえ、動きまわり、一夜で橋を組立ててしまう連隊長。マイケル・ケイン(空軍大戦略)は、ベルギーから機甲部隊をひきいていく隊長。アンソニー・ホプキンス(ジャガーノート)はアーンエム橋を死守する小部隊の隊長。ダーク・ボガード(ベニスに死す)は“マーケット作戦の最高司令官。エドワード・フォックス(ジャッカルの日)は、ベルギーからの機甲部隊“ガーデン作戦の司令官。ローレンス・オリビエ(マランソマン)は戦争中断をねがうオランダの医師。マクシミリアン・シェル(オデッサ・ファイル)は知的なドイツ軍司令官。ハーディー・クルーガー(シベールの日曜日)は、連合軍との一時休戦を交渉するドイツ将軍。そして紅一点リブ・ウルマン(叫びとささやき)は邸宅を野戦病院に提供する勇敢なオランダ女性。 ★こうして名前を並べると、スターであると同時に名演技者を揃えていることがわかる。いまやハリウッドきっての名シナリオライター、ウイリアム・ゴールドマン (明日に向って撃て!、大統領の陰謀)の脚本は、戦闘シーンのスリル、迫力、スケールをえがくとともに、これら戦争にまきこまれた人びとの意味さや悲劇をもおりこんでいるのである。 ★監督のサー・リチャード・アッテンボローは俳優出身であるが、近年は監督に転向。傑作「素晴らしき戦争」の手腕を買って、レビンが起用した。第2作はチャーチルの若き日をえがいた「戦争と冒険」、そして今回が第3作で、雄大なスケールと繊細な人間描写のコントラストがみごとだ。 ★戦火のすさまじさとともにオランダの美しさもとらえた撮影監督はジェフリー・アソスワース(キャバレー、2001年宇宙の旅)、編集はアントニー・ギブス(屋根の上のバイオリン弾き)、音楽はジョン・アディスン(トム・ジョーンズの華麗な冒険、蜜の味)、特殊効果がジョン・リチャードソン(わらの犬、オーメン)、衣装がアンソニー・メンデレソン(素晴らしき戦争)と、スタッフもすべて超一流である。 ★ロケは、今ではすっかり様相を変えてしまったアーンエム以外、すべて現地で、76年の春から年末までおこなわれた。 |
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[プロダクション・ノート]○美しいオランダに展開された巨大なロケ ○正確な考証。大物量作戦 ○老兵は死なず ○“アッテンボローの私有軍隊”が作られた ●第二次大戦、朝鮮、パレスチナ、ベトナム戦争をカバーした世界的報道カメラマン、デビット・D・ダンカンがふたたび戦場にあらわれた。今回は「遠すぎた橋」のデベンター・ロケ現場である。“すべてが本物の戦場にいる気がした。まさにリアルだ!” ●コーネリアス・ライアンの原作は、1974年9月刊行されると同時にアメリカ読書界の最高名誉である月間優秀図書選定委員会の受賞作となりベスト・セラーを保証された。ニューヨーク・タイムズ紙ベスト・セラー・リストの上位に連続22週間ランクされるばかりではなく、現在まで105種類、27ヵ国語に訳され2,200万以上の読者がいるといわれる。 ●14大スターのギャラ総額は900万ドル。レッドフォードのみで230万ドルである。彼はこの日史画出演のために、マーロン・ブランドと共演の『スーパーマン』を蹴った。“ケープをひるがえして高いビルをひとつ飛びするのはゾッとしないね”。というわけだ。ザナック=ブラウンの「ジョーズ」製作者コンビは、「統・風と共に去りぬ」のレッド・バトラー役にレッドフォードを狙っている。 ●『地獄の黙示録』 『続・ナバロンの要塞』 『合衆国最後の日』 「戦争のはらわた」 『ドッグ・ソルジャー』と、77年は戦争映画ブームである。そのなかでも「遠すぎた橋」は、戦闘シーンのもの凄さにおいて群をぬく。 ●衣裳デザイナーのアンソニー・メンデレソンは、1944年当時のアメリカ、イギリス、そしてポーランド軍兵士の軍服を手に入れるために文字通りロンドン中の貸衣裳店を借り切った。だが撮影に必要な数にはほど遠く、デベンターの町に衣裳倉庫を作り、エキストラ用に次々と作られる軍服が所狭しとおかれた。それは世界中の軍服が一堂に会したような壮観さだ。 |
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