[パンフレット] 353作品

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解説、プロダクションノートはパンフレットの表記そのままで掲載していますので誤字・脱字・旧字・旧仮名づかい等があります。ご了承下さい。

<サ行>

最後の太平洋戦争
最後の決死隊
最後の橋(2種類)
サイゴン
最前線
最前線物語
ザ・キープ
砂漠の鼠
砂漠のライオン
砂漠部隊
鮫と小魚
サヨナラ
さよなら子供たち
さらば外人部隊
サルバドル 遙かなる日々
サンタ・ビットリアの秘密
サン・ロレンツォの夜
ジェット・パイロット
地獄と高潮
地獄に堕ちた勇者ども
地獄の7人
地獄の謝肉祭
地獄の戦場 コマンドス
地獄の戦線
地獄の黙示録
地獄の黙示録 特別完全版
地獄への退却
史上最大の作戦
姉妹と水兵(復刻版)
十字砲火
将軍たちの夜
勝利者
勝利なき戦い
勝利への脱出
ジョニーは戦場に行った
シン・レッド・ライン
シンドラーのリスト
侵略戦線
新13階段への道 ナチ生体実験
姿なき軍隊
頭上の脅威
スターリングラード(2000)
聖なる嘘つき その名はジェイコブ
セブン・ビューティーズ
ゼロ地帯
戦火の勇気
戦艦シュペー号の最後
全鑑発進せよ
潜航決戦隊
潜行突撃隊
戦場(1961)
戦場(1978)
戦場にかける橋
戦場にかける橋2 クワイ河からの生還
戦場の7人
戦場の小さな恋人たち
戦場の小さな天使たち
戦場のメリークリスマス
戦場のピアニスト
戦場を駆ける男
戦塵
潜水戦隊帰投せず
前線命令
戦争の犬たち
戦争のはらわた
戦争のはらわた(R)
戦争プロフェッショナル
戦闘機攻撃
戦略空軍命令
戦略大作戦
総攻撃
祖国は誰のものぞ
底抜け艦隊
ソドムの市
ソフィーの選択
ソルジャー ストーリー
ソルジャー・ボーイ

 

戦争の犬たち

昭和56年3月28日発行
発行所:東宝株式会社事業部
発行権者:日本ユナイテッド・アーチスツ
定価:250円
A4版20P

[解説]

「皆殺しの雄叫びをあげ、戦いの犬を切って放て一一!」
死をもいとわぬ大いなる戦塵の彼方に、いま壮烈なる男のロマンが燃えあがる。地の果てまでも熱いいのちのあかしを求め、戦場という名の空間を飛翔するプロフェッショナル・ソルジャー。人は彼らを呼ぶ。傭兵=〈戦争の犬たち〉と一。
卓抜な国際情勢への洞察と、無類のストーリー・テリングで「ジャッカルの日」「オデッサ・ファイル」「悪魔の選択」と次々と大ヒットを生み続けるスーパー・エンタテイメントの旗手フレデリック・フォーサイスの最高娯楽傑作が、いま5年の歳月を費して映画化された!
舞台は遥か西アフリカの黒人独裁国サンガロ。イギリスの大資本から現政権転覆を依頼された4人の戦争プロたちが、襲撃への行動を開始した。報酬一人10万ドル。期限は40日。周倒級密、驚くべき作戦準備をへて、黎明の大殺戮へなだれこんだ男たち。果たして、硝煙の中に彼らが見たものは、何だったか一!
傭兵の知られざる実態と生きざま。その彼らが命を張った第三世界の非情な政治メカニズム。そして、現代局地戦のハードな構図。高性能最新スーパー・ウェポンを総動員したクライマックスが圧倒的昂奮を呼ぶ、これはヘビー級戦争アクションだ。
主演は傭兵のリーダー、シャノンに「ディア・ハンター」でアカデミー助演男優賞を獲得し、近く公開される問題作「天国の門」でも注目されるクリストファー・ウォーケン。その片腕的存在に「新・明日に向って撃て!」の好漢トム・ベレンジャー。以下、TV出身のポール・フリーマン、「勝利への脱出」の仏演技派ジャン・フランソワ・スタブナンといった渋いながらも男臭い面々。これに「オリエント急行殺人事件」のコリン・ブレイクリー、ヒュー・ミレー、ジョーベス・ウィリアムズらが好助演。
監督は英BBテレビ出身(“ティンカー・テイラー・ソルジャー・スパイ”)の気鋭で、これが劇場映画第一作のジョン・アービン。フォーサイスの原作をジョージ・
マルコ、ケイリー・デボアの両ライターがメリハリよく脚色。撮影は「ナイル殺人事件」「ピラミッド」の名手ジャック・カーディフ。音楽は新人ジョフリー・バーゴンが雄大なスコアを書き上げている。さらに「屋根の上のバイオリン弾き」「ジャスティス」の名匠ノーマン・ジュイソンが盟友パトリック・パーマーとともに総指揮に当たるという万全の布陣。
ニューヨーク、ロンドン、パリ、ベルギーを股にかけたロケーション・スケールの大きさも話題。当然のことながら、その内容からアフリカ現地ロケはシャット・アウトされ、カリブ海沿岸ベリーズをそれに見立てて撮影された。

[プロダクション・ノート]

☆ウォーケンの顔を変えた名人芸
スペクタクルなアクション効果もさることながら、この作品ではクリストファー・ウォーケンの端正な顔立ちを変えたメーキャップ・アーチスト、ディッキー・ミルズの仕事も見逃せない。サンガロ偵察行で秘密警察につかまったシャノン(ウォーケン)がまるで虫けらのように拷問を受け、その顔面がどす黒く変形するシークェンス。思わず痛みが伝わってくる迫力なのだ。
「単なる傷なら事は簡単なのだが、アービン監督は、サディスティックな拷問の跡を強調するようにということだった。そのため、白い特殊プラスチックを何枚も貼り合わせてほお骨の歪みを作り,その上に肌色のトーンをかぶせて、微妙な光と影の濃淡を作った」とミルズ。
さらに「これは私にとっても俳優にとっても最もやっかいな作業の一つだった。特にクリスは顔が引きつり、まばたきも満足にできなかったはずなのに泣き言一つ並べなかったのには感心した」と語っている。

☆映画史に残る大爆破シーン
映画史上空前ともいえる「戦争の犬たち」のラストの爆破シーンは,「地獄の黙示録」で職人芸を見せた特殊効果マン、ジョー・ロンバルディの腕の見せ所だった。
「“地獄──”の爆破シークェンスは映画史に残るものだったが、“戦争一一”もそれに優るとも劣らない破壊映画の傑作だ」と彼は言う。その腕の冴えはラストに劣らずプロローグのアクションでも発揮される。中米某国の内乱加担に失敗したシャノンら傭兵と民衆たちがたった一機の木製DC3型機で辛くも離脱するくだり。黒煙と真っ赤な砲撃を浴びて飛び立つまさにスペクタクルな構
図。仕掛ける爆薬、カメラの位置、時限装置…彼らの仕事は一つの呼吸の乱れも許されない一瞬の勝負だ。「我々が使うのはいつも実弾、実砲だ。だから仲間にはこう奮う。“うまくやろうとするなら決して急ぐな”」。

☆米英軍事筋注目の新兵器一一MM1
戦争アクションに登場する軍事兵器は、特殊なものを除き,すでに軍隊に採用されている場合が普通だが「戦争の犬たち」には、映画初登場の最新兵器がお目見えする。“MM1”という機関銃で、ハンディな追撃砲の能力をそなえたもの。140メートル離れた地点から普通のビルなら3、4発でこっぱみじんという破壊力だ。開発したホーク・エンジエアリング社のチャック・ホイットベック技師によると、普通のマシンガンの50倍からの能力があり、特殊なマガジン形態から照明弾、催涙弾の互換性も持つという。現在、米英両国国防省が正式兵器としての採用テストを行っている。

☆「俳優はつねにハングリーでなければ……」
シャノン役クリストファー・ウォーケンは役作りの気迫にかけては人後に落ちない役者の一人だ。「戦争の犬たち」でその経歴中、もっともアクションぽいパートに挑んだ彼は、役作りの狙いを次のように語っている。「演技は一瞬の燃焼が勝負だ。物理的にも精神的にも常に自らをハングリーな状態においていい演技ができると考えている。この作品は単に傭兵の勇敢な行動を描いたものではない。妻に去られ、友に死なれ、自らの行動にむなしさを抱く傭兵の苦い思いが、作品の重要なポイントとなっている。その辺を見逃さないでほしい」

☆カリブ海にアフリカを見つけた!
ドラマの上では中央アメリカ→ニューヨーク→ロンドン→フランス→ベルギー→スペイン→イタリア→西アフリカと目まぐるしく舞台の変わる本編だが、実際にはロンドン、マイアミ、ニューヨーク、そしてカリブ海沿岸のベリーズ(旧英領ホンジュラス)でロケが行われた。
ベリーズは、製作のラリー・ドウエイと監督アービンが中米14ヶ国をリサーチして決定したもので、決して豊かではない経済状態と、高い日中気温、市街の地形などが、フォーサイスの描いた独裁国サンガロをほうふつさせている。

☆「戦争の犬たち」はフォーサイスの現実の行動のドラマ化だ!
「戦争の犬たち」は原作者フォーサイスがビアフラ紛争('69〜'70:ナイジェリアで起きた種属間戦争)をもとに書きあげたといわれるスリリングな傭兵アクションだ。BBCのリポーターとしてのフォーサイスがそこで見たものは、血みどろの覇権闘争に走る権力者と民衆の悲惨な姿、そして、戦いのはざまでみじんの感傷もなく死んでゆく“戦争の犬”と呼ばれる傭兵の実態だった。
そのジャーナリスティックな筆緻は、ダーティな国際政治の裏面を白日にさらし、傭兵という知られざるアウトサイダーに光を当てて、世界の読者を興奮の渦に叩きこんだ。
ところが、78年4月、イギリスのサンデータイムズが「戦争の犬たち」は、フォーサイスが実際に作戦・指揮した赤道ギニア・マシアス政権の転覆計画が土台となっているとすっぱ抜いた。作戦そのものは中途で挫折したが,「戦争──」で描かれる微に入り細にうがった作戦計画は、フォーサイスの実体験なのだという。これについてフォーサイスは否定も肯定もしていないが、彼の作品がニューズ・リールの活字化といわれる所以もこの辺にあるのかも知れない。