テレンス・マリック観
ジョン・キューサック(LAタイムズ:TRL出演者インタビュー)
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ジョン・キューサックは、ハリウッドで最も期待される若手俳優の一人だが、
TRLでは、比較的小さな役を演じている。それでも、他の映画の主役以上に、彼は、TRLに出演でき
たことを喜んでいる。理由は一つ、TRLが、テレンス・マリック監督の作品だからだ。恐らくマリッ
クは、近代映画界最大の謎の人物である。
マリックは、1973年の「Badlands」と、1978年の「天国の日々」の2本の作品しか作っていない。
それ以降、彼は、殆ど伝説的な存在になっていった。そして今、20年の歳月を経て、マリックは、
第二次世界大戦映画、「The Thin Red Line」の製作に取り組んでいる。
「僕がオーストラリアでの撮影に参加したのは、6週間から7週間の間だったと思う。」キューサック
は語る。「素晴らしい経験だったよ。ガダルカナル島の上陸作戦をテーマにした、巨大な叙事詩のよ
うな映画なんだ。ショーン・ペン、ウッディ・ハリソン、ジョン・トラボルタ、ベン・チャプレンな
ど、良い役者が沢山出演している。
脚本の中の40ページほどは、大尉役の僕と、僕の部隊の兵士達についてのエピソードで、日本軍の機
関銃陣地の攻撃を描いている。でも、映画全体から見ればあくまで一つのエピソードなんだ。とにか
く、巨大なスコープで描かれた作品で、所謂“主役”という存在は無いんだよ。物語の全体を引っ張
ってゆく中心的なキャラクターというのが居ないんだ。」
TRLへの出演を決めるには、かなりきついスケジュール調整をしなければならなかったが、キューサ
ックは、無理をしてでもTRLに出演すると決めたことは、決して間違いではなかったと思っている。
「僕はエージェントにこう言った。“いいかい、僕が俳優稼業をやっている唯一の理由は、テリー・
マリックみたいな人間と仕事ができる機会があるかもしれないっていう希望があるからなんだよ。何
が何でも出演を決めてくれよ。”ってね。本当に、俳優にとっては、それが全てなんだ。「Badlands」
や「天国の日々」のような最高のレベルの作品に出るっていうことがね。」
願いが叶って、キューサックは、マリック監督と仕事をすることができた。
では、キューサックは、彼が心酔する伝説の監督から、何を学んだのだろうか?マリックのどこが、
それほど特別なのだろうか?
「彼は、本当の芸術家として、誰もが認めている人物なんだ。だから、彼には、彼自身がこうしたい
と思う作り方で映画を作る自由が与えられている。スタジオ・システムのメンタリティーを持つこと
を強制されていないんだよ。」キューサックは語る。
「とにかく、彼は、恒常的な創造活動だけしか頭に無いんだ。彼の演出は、本当に見事にコントロー
ルされたカオスという感じだよ。 そして、それが彼自身の性格でもあるんだね。印象派的で、直感的
で、霊感に満ちたような人物なんだ。彼の才能は誰もが知っている。誰もが、彼と一緒に仕事をした
いと思っている。だから、オーストラリアでTRLの撮影に参加した俳優達は、僕も含めて、いつもよ
りずっと低い出演料しか取らなかった。それだけの力があるんだよ、彼には。物凄く教養が豊かで、
物凄く情熱的な男だ。同時に、本物の南部のジェントルマンで、親切で、フレンドリーで、ユーモア
のセンスもたっぷりだった。」
しかし、マリックは、仕事の早い人物では無い。「The Thin Red Line」にしても、早々に観られる
とは期待しない方が良いだろう。
「彼は、編集に1年はかけるかもしれないよ。」キューサックは言う。「撮った世界が、彼自身よりも
大きいからね。彼は、時間も空間も超越する何かを掴んで、自分をその何かと同化させようとしてい
る。大変なプロセスだよ。