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試写会感想 -アメリカ-(翻訳:ジェイさん)


「私、バーバー・ワーワー(注:これは、米国の有名なニュース・コメンテーターのバーバラ・ウォルターズのことです。彼女は、「R」の発音に特徴があって、全て「ア」か「ワ」に聞こえてしまうので、ジョークで、バーバー・ワーワーと呼ばれています。ということは、この感想文を書いたのは、女性だということです。初めての女性の感想文ですね。)は、今日、SPRを観たの。凄く感動したので、とにかく、一刻も早くみんなに感想を伝えたいと思ったわ。

SPRについては、殆ど前宣伝が無いので、おかしいなあと思っていたのだけれど、映画を観て、何故だか分かったわ。この映画は、本当に素晴らしい。本当に物凄く感動的で、見事に演出されていて、とにかく、文句の付けようが無いくらいパーフェクトなの。だから、前宣伝のキャンペーンなんて、必要無かったのね。もし、あの信じられないくらいな駄作の「ARMAGEDDON」が感動的だと思えたのなら(あれで感動した人が本当に居たらしいから)、SPRを観に行くときは、必ず、クリネックス(ティシュー)を箱ごと持って行かなければ駄目よ。

もうみんな知っていると思うけれど、ストーリーは、とってもシンプル。トム・ハンクスが演じる歴戦のつわものの大尉が、4人兄弟の最後の生き残りのライアン一等兵を、敵地から救い出して故郷に連れ帰る命令を受けるのよね。映画は、2時間40分の上映時間だけれど、その殆どは、マンモスみたいにパワフルな戦闘シーンが、次から次へと続くの。しかも、今まで、こんな戦闘シーンは、決して無かったわ。信じられないくらい暴力的で、むごたらしくて、サスペンスに満ちていて、本当に恐ろしい。スピルバーグは、「シンドラーのリスト」以来、余り良い映画を作っていなかったけれど、ここでは、私達に、登場人物達と同じ戦場に「実際に居る」ような錯覚を感じさせる。その戦場は、決して居心地の良いところではなかったわ。彼は、手持ちカメラとステディカムの両方を使って、ときにはコマ数にも変化を付けて撮影していて、それが、サラウンド・サウンドの弾丸がかすめ飛ぶ音や身体を揺するような爆発の音と重なって、凄まじい効果を盛り上げるの。とにかく、実際に映画を観なければ、分からないでしょうね。

ハンクスの演技は、信じられないくらい奥が深いものだったわ。(彼がこれまで演じた役柄とは全く違う役柄だからでしょうけれど)それから、彼の副官を演じる、トム・サイズモアも見事ね。でも、一番強いのは、これは、スピルバーグの独り舞台だという印象だった。このことは、ここハリウッドでも、もう人々の間で固まった評価になってきていると思うわ。SPRは大ヒットするわね。それも、決して、大々的な宣伝キャンペーンやお金のかかった特殊効果のためではなくて、映画そのものが、深い意義と心、そして、ありふれた言い方だけれど「忘れ難い経験」を、私達に与えてくれるからだと思うわ。」


次は、ニックネーム「Fly Boy」(パイロットのこと)氏の感想文です。

「みんな、関心があるかどうか分からないけれど、このあいだ、Saving Private Ryanの(プレスや批評家を含まない一般人向けの)試写を観る機会があって、僕も幸い映画を観ることができたものだから、どんな感じの映画か話してみたいと思う。上映時間は、2時間40分。結論としては、僕がこれまで観た映画の中で、一番観衆を捉える力を持った映画だった。もうみんなストーリーは知っているだろうから、ここでは繰り返さないけれど、これだけは言える。最初の30分間(オマハ上陸シーン)では、大抵の人は、息が止まり、涙が止まらず、叫び、完全に気分が悪くなるだろう。このシーンの凶暴極まりない力は、映画の残りの部分さえも圧倒してしまうくらいだった。映画全体の構成を考えると、この最初の衝撃は必要だったのだと思う。

ヤヌツ・カミンスキーの撮影は信じられないくらい凄い。特に、ビーチでの、水中から水面に出る部分のシーンの実感は抜群だった。

とにかく最高の映画で、来年のアカデミー最優秀作品賞は決まりだ。でも、僕には、余りに露骨な残酷描写が、観衆の脚を遠ざけるのではないかという不安がある。とにかく、子供には絶対に無理な映画だろう。どんなに熱烈なマット・デモン・ファンでもだ。(ときに、マットの演技は全く問題無い。他のキャストも見事だ。)

試写を観てから数日経つけれど、この映画は、まだ、悪夢のように僕の脳裏に残っている。映画の創り出す心象風景、最後のシーンの、強烈な印象 ---- 振り切ることができない。これはスピルバーグの手腕によるものだ。しかし、「シンドラー」や、「レイダーズ」のスピルバーグではない。ましてや「エムパイヤ・オブ・ザ・サン」のスピルバーグでは絶対にない。何か、別のスピルバーグがこの映画には居る。彼は、この映画で、明らかにこれまでで最高の境地に達したと思う。SPRのシーンの全てに、それが現われている。何か荒涼として苛酷な、生の、驚愕で開いた口が塞がらないような…。これは、過去30年で「最高の」反戦映画だろう。とにかく、僕は、この映画を頭から振り切ることができないでいる。これから、映画評論家達が、どのような批評を書くか、興味津々だ。他の観衆の反応も知りたい。何だか、独り言みたいに続けてしまったけれど、そうしないではいられない、そんな映画だった。」

 

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