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SBG主催者の手記(翻訳:ジェイさん)


1997年の8月、SBGは、スティーブン・スピルバーグの新作、"Saving Private Ryan"の制作に協力して欲しいとの依頼を受けた。聞くところによると、スティーブン・スピルバーグは、「これは、戦争映画の集大成となる戦争映画だ。」と言ったそうである。私自身は、制作に積極的に加わることはしなかったが、SBGのメンバー達と共に撮影に立ち会い、出来上がってくる映像を見るにつれて、なるほどこの映画は凄い作品になるという実感を得た。(もっとも、私自身は、モCross of Ironモを越える作品は決して現われないと思うが。)SBGは、所有するハーフトラックと共に雇い挙げられ、映画の中の
独機動部隊の一員となった。また、多くのメンバーが、数多くの歩兵の戦闘シーンにも出演した。

この映画の主な出演者には、トム・ハンクス、マット・デモン、アダム・ゴールドバーグなどが含まれている。私の役割は、撮影用に、ハーフトラックに乗り組む10人のメンバーを選び出すという、厄介なものだった。メンバーの多くが、仕事を休んで映画の撮影に参加する時間が無かったからである。しかし、何とかやりくりして、先に開催したベルギーとシュライビンガムでのタイガーII型の撮影会に参加できなかった者を選択して、協力を頼んだ。彼等を選んだもう一つの動機は、SBGのモットーとして、メンバー達に、年間を通じて様々な異なった活動をする機会を設けることになっているので、映画の撮影は、タイガーII型の撮影会に参加できなかった者に、活動の機会を与えられるという意味もあった。

ストーリーの結末を私は知っているが、これについては今は何も広言しない。ただ、特殊効果は凄く良くできていて、惨たらしいものでもあるということだけは言える。戦闘のシーンは、ノルマンディーのビーチから始まるが、実際の撮影は、アイルランドで行なわれた。このシーンでは、アイルランド人のSBGメンバーである、ジャスティン・ホーガンが、サイドカーに乗ったWehrmacht Grenadier(ハウプマンさん、翻訳をお願いします。)の役をあてがわれた。この映画で使われた軍用車両は、殆ど全て、WW2の実物ばかりで、その多くは、SBGと、SBGのメンバーが所有するものだ。例を挙げると、ケッテンクラート、ツェンダップのサイドカー、デマグ兵員輸送車、スタイヤー2台、オペル・ブリッツ2台、タトラの改造車2台(うち1台はSBGの所有)、マーダー2両、T-34改造のタイガーI型2台、その他様々な軍用車両が登場する。

映画のセットは、ハットフィールドにある、今は使用されていない航空機の工場に建設された。敷地内の建物やオフィスは、映画制作のコントロールセンターとして使われ、格納庫などは、大量のユニフォーム、装備のキット、武器、小道具および車両の倉庫として使われた。村のセットは巨大なものだが、これは、「スピルバーグの」映画なので、ファサードだけで中は空っぽの建物が並ぶ普通のセットとは少々異なる。とにかく、この村は非常にリアルに作られていて、ちょっと言葉では言い表せないほどだ。ドアを開けて家の中に入ると、グランドファーザー・クロック、帽子掛け、傘立てなど、調度の整った廊下がある。学校の教室には、当時のままの机と黒板などがあり、バーには、ワイン・ボトルやグラスが揃っている。セットのそここや、瓦礫の中で、風に吹かれてぱらぱらとめくれる本のページに至るまで、全てが考証上正確なものになっている。見過ごされた点は全く無いように思われた。

セットに到着すると同時に、SBGのメンバーは、本物の兵役に就くときのように屋外に招集された。(「フル・メタル・ジャケット」の中の1シーンが思い出される。)その後、全員がある建物の一室に通され、そこで、ギザギザのエッジ(この正式名称もハウプマンさん、お願いします。)か樫葉のZeltbahns(これもハウプマンさん、頼みます。)のどちらかの付いた軍服、もしくはスモックの、素晴らしい出来のレプリカが支給された。更に、シャツ、フィールド・グレイのテューニックとズボン(これにはDas Reichのインシグニアが付いている)、続いて、ブーツ、ゲートルと靴下なども支給された。それから、次の建物に移ると、そこでは、Yストラップ、水筒、パン袋などの装備が支給された。これらのユニフォームと装備は、どれも考えられる最高のスタンダードで仕上げられており、これらだけでも、この映画は、特別な作品として記憶されるに値する。最後の仕上げは、皆から「恐れられていた」メイクアップ・ルームで、SBGのメンバー全員(私を除いてだが:) )が、無料のヘアカットのサービスを受けた。丸刈り、一丁上がり!! である。

丸刈りの埋め合わせという訳ではなかろうが、セットの食事は、全く申し分の無いものだった。もちろん無料で、その上食べたい放題。朝昼夕と、あらゆる種類のご馳走が並ぶさまは、まるで中世の大宴会のような感じである。スティーブン・スピルバーグ、トム・ハンクス、マット・デモンやその他の俳優達も、しょっちゅう、我々の隣のテーブルで食事を共にした。

さて、SBGが出演するシーンだが、まず、ドイツ軍が村に入ってきて、車両のコンボイが通りを通過し始めるところから始まる。スティーブ・ラモンビーが、素晴らしい手際で、2台のT-34を改造してタイガーI型にしたものが見物だ。フロントの駆動輪などに問題はあるが、改造車としては第一級の仕上がりだ。スティーブは、この他にも、オリジナルのマーダーSPGを2台リビルドしたし、1台のタトラOT18を、我々のものと同じ型式のものに改造した。 コンボイに話を戻すと、まずマーダー、続いてハーフトラックがやって来る。このハーフトラックに、我々SBGのメンバーが、頭を低くして乗っているのだ。それから、タイガーI型と、もう1台の自走砲が続き、更に沢山のドイツ軍歩兵が続く。この直後に、アメリカ兵が戦車に攻撃をしかけて、派手な戦闘が開始される。まず、一人が、タイガーI型の転輪とキャタピラに粘着爆弾を投げつけて破壊し、次に、二人が。家の窓から火炎瓶を投げつけてマーダーを炎上させる。このシーンの迫力は本当に凄い。3人のスタントマンが、火だるまになって駆け回り、マーダーが炎を吹き上げる。アメリカ兵達は、一旦引いて、一軒の家の2階の部屋に上がる。その部屋の窓と、壁に開いた穴を通して、我々のハーフトラックが、村の背後を通過し、教会から遠ざかって行くのが見える。(もちろん、後ろには我々SBGが乗っている。)こうした動きの中、数十人の Pz.Grenadier (エキストラ達)が、MP 40や MG 42 (もちろん、全部本物だ。)を連射しながら突撃を開始する。そこらじゅうで爆発が起こる。全く実戦さながらだ!最後に、ハーフトラックが村の背後に廻ってきて、最後の戦いとなる。このハーフトラックには、オリジナルのMG42が装着され、撮影中、終始、機銃掃射を続けた。

 

特殊効果の凄さは、言葉では言い表せない。戦車の爆発、火だるまの兵士に始まって、建物が目前で崩れ落ち、教会の側壁が、木っ端微塵に吹っ飛ばされる場面に至るまで、物凄いものだ。20mm flak機銃を装備したケッテンクラートが登場し、タイガーI型の1台によじ登ろうとするアメリカ兵に掃射を浴びせるシーンもある。また、ある場面では、2機のムスタング(ダックスフォードから飛来したものだ)が村の上を超低空でかすめ飛ぶが、余りの低空なので、翼端に手が届きそうなほどだったし、叫ぶような凄まじい爆音は、耳をつんざくばかりだった。(つんぼの私にも聞こえた…というのは嘘だが。)この他、ハットフィールドに到着した日に、ハーフトラックの大道具を使ったシーンの撮影現場を見た。ハーフトラックは、SS Grenadiersで満員で、それが、コーナーを曲がってくる。そこへ、アメリカ軍の迫撃砲攻撃が始まる。迫撃砲弾の一発が、ハーフトラックの車内に着弾し、ドイツ軍の兵士達(スタントマン)が、空中高く放り投げられる。生き残った者は、身体から煙を出しながら車外へ飛び出すが、立ち上がる間もなく、アメリカ軍兵士達の機銃掃射を受け、なぎ倒される。そこら中、血だらけで、迫力満点だった。

 

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