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INTRODUCTION

スピルバーグがもたらす今世紀最後の感動

「なぜ、新兵一人の救出に8人の命を賭ける価値があるのか?」
「なぜ、彼の命は我々よりも重いのか?」

1944年6月。第二次大戦の転回点となったノルマンディの激戦の最中、アメリカ歩兵師団ジョン・ミラー大尉は、軍上層部から秘そかな指令を受けた。「新兵ライアンを救出せよ」
ジェームズ・ライアン二等兵は、3人の兄たちとともに揃って参戦した。しかし、兄たちはこの二日間の戦闘で全員が戦死を遂げた。国と軍の決定は迅速だった。「残る一人を生きて祖国へ連れ戻せ」
3人の兄を失った二等兵を帰還させる----戦時下の過酷な任務に、ミラー以下8人の男たちが選び出された。戦時中行方不明となった一兵士を求め、敵中深く潜入する8人の特命隊。しかしドイツ軍との戦闘が激しさを増すにつれ、彼らの間には、受けた命令に対する疑問が湧きだしていった-----------------
世界を揺るがし、人間の運命を変えた第二次世界大戦。「シンドラーのリスト」で栄光のアカデミー賞を手にしたスティーブン・スピルバーグの最新作は、観るものを再び、あの忘れ難い時代へと引き戻す。連合軍による史上最大の侵攻作戦。その陰で進行する8人の兵士による1人の兵士の決死の救出行。真の勇気とは・・・・・ヒロイズムとは・・・・・そして、戦火の下での人間性の在り拠とは・・・・・。
スピルバーグが渾身の力を込め、かつてない壮大なスケールとヴィジョンを掲げた本作に、早くもアカデミー賞最有力の声が飛びかっている。“キング・オブ・ハリウッド”その名で呼ばれる男が、暮れゆく20世紀に向けて放つ至高の感動大作だ。

 

初めて手を組んだ2人の“オール・ハリウッド”

オリジナル・ストーリーは、脚本ロバート・ロダット(「グース」)の個人的体験から派生した。Dデイ(ノルマンディ上陸)50周年の年。住んでいたニューハンプシャーの町の広場で見た夥しい数の戦死者名簿。そこで彼は、幾組もの兄弟が戦死している事実に触れ、強く胸を打たれたという。
ロダットが幾月をかけて完成した脚本に、映画界を代表する2人の大物が同時に反応した。スピルバーグと「フィラデルフィア」「フォレスト・ガンプ/一期一会」の名演で2年連続アカデミー主演男優賞の快挙を成し遂げたトム・ハンクスだ。共に映画界で絶大な支持を受ける2人が、正面切って手を結んだのはこれが初めて。ファンならずともときめきを覚える夢の顔合わせの実現だ。
シリアスからコメディまで、さまざまな役をこなしてきたハンクスが、初めてアクション主体の演技が要求される歴戦の指揮官ミラー大尉の役でベスト・パフォーマンスを見せる。
そのハンクスを中心とした“オール・メール・キャスト”の演技アンサンブルも見過ごせない。タイトル・ロールのライアン二等兵に扮して鮮烈な涙を誘うのは「グッド・ウィル・ハンティング」のマット・デイモン。スターになる前に「戦火の勇気」の演技にスピルバーグが魅せられての抜擢だ。ライアンを探す特命隊のメンバーには、ミラーを補佐する古参軍曹の役で「ヒート」のトム・サイズモア、ミラーに反旗を翻す二等兵の役で、ロバート・レッドフォードに発見されたインディーズ系の星エドワード・バーンズ(「彼女は最高」)が好演。さらに、ジェレミー・デイヴィス、ヴィン・ディーゼル、アダム・ゴールドバーグ、バリー・ペッパー、ジョヴァン・リビシといったこれからが期待される若手俳優たちが、スピルバーグの負托に見事に応じている。

 

極限のドラマに、アメリカが泣いた

「シンドラーのリスト」「アミスタッド」に続き、監督スピルバーグは本作でもリアリズムの極致に挑んだ。「プラトーン」「7月4日に生まれて」でも勇名を馳せた海兵隊上がりのデイル・ダンが軍事コンサルタントとして参加。マット・デイモンを除く主要キャスト全員がソルジャー・スピリットを叩き込まれた。
巻頭30分に及ぶ「ノルマンディ上陸」のシークエンスはアイルランドの海岸にされた。連合軍の上陸用舟艇、ドイツ軍の鉄壁の要塞、兵士たちの軍装、2000丁に及ぶ銃火器、そしてアイルランド軍1000人のエキストラ・・・・・。Dデイ当日の情景をまざまざと甦らせたのは、プロダクション・デザイナーのトム・サンダースを中心とした美術チームだ。
撮影は「シンドラーのリスト」のモノクロ撮影でアカデミー賞を獲得した名手ヤヌス・カミンスキー。ハンディ・カメラを多用し、往時のニュース映画を思わせる映像でスピルバーグのイメージを具体化している。
そして音楽は「ジョーズ」以来、スピルバーグ映画には欠かせない大御所ジョン・ウィリアムズ。その心に残るメロディーとリズムにはスピルバーグも感動。さらにボストン・シンフォニー・オーケストラによる録音の際には、ラッシュを見ながらの音入れで、何人かのミュージシャンが思わず貰い泣きをしたとのエピソードも伝わっている。

 

(協力:UIP映画)

 

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